专利摘要:
熱システムにおいて、低圧流体を、内部圧力の均衡によりまたは低圧状態から高圧状態へポンプ動作で送られる作動流体の流れに対する抵抗を均衡化する力により、高圧流体源へ戻す。
公开号:JP2011510226A
申请号:JP2010544446
申请日:2009-01-23
公开日:2011-03-31
发明作者:ウッズ;ジョンストン バーリー
申请人:ウッズ ジョンストン バーリー;
IPC主号:F02G1-053
专利说明:

[0001] 関連出願との相互参照
本願は、2008年1月23日に出願された米国仮出願第61/022,838号および2008年8月19日に出願された米国仮出願第61/090,033号に対する優先権を主張する。当該仮出願の全開示を明確にここに引用により援用する。]
[0002] 関連する米国特許第4,698,973号、 第4,938,117号、第4,947,731号、 第5,806,403号および第6,505,538号、米国仮出願第60/506,141号、第60/618,749号、第60/807,299号、第60/803,008号、第60/868,209号および第60/960,427号ならびに国際出願第PCT/US05/36180号および第PCT/US05/36532号についても、その全内容をここに引用に援用する。]
背景技術

[0003] 費用効果の高い発電機が開発されれば、毎年、価値にして数千億ドルの熱エネルギを電気に変換できるであろう。カルノーの法則によれば、利用する方法さえ見つかれば、ある温度域で、熱から電力への変換に一定量のエネルギが入手できることになるが、最も効率の良い熱機関である、スターリングエンジンは、一般に30%までの出力の効率損失がある。スターリングは、加熱冷却交換器に入れた容積からの内部循環する作動流体を膨張させたり圧縮させたりするが、流体の加熱および冷却速度が遅く、作動流体の最大能力に到達する前に仕事出力のいくらかはすでに発生しており、したがって、30%の効率損失、ということになる。]
[0004] 1以上の実施形態において、流体を、低圧状態の前記流体の第1の流体源から高圧状態の前記流体の第2の流体源に移動させるための流体ポンプが、チャンバと、前記チャンバ内を変位可能でかつ前記チャンバを可変体積の第1および第2のサブチャンバに分割する区画部材とを備え、前記第1のサブチャンバが、それぞれ第2および第1の流体源と制御可能に連通可能な入口および出口開口を有し、前記第2サブチャンバがそれぞれ第1および第2流体源と制御可能に連通可能な入口および出口開口を有し、区画部材の対向する側の圧力が等しくされる場合、低圧状態の流体を第2のサブチャンバから第2の流体源へポンプ動作で送り込むために、前記区画部材が、第2のサブチャンバ内に移動するよう構成される。]
[0005] 1以上の実施形態において、熱システムが、高圧流体を供給するための加熱交換器と、前記加熱交換器に結合されて、前記高圧流体に延在しかつ低圧状態の前記流体を排出するためのエンジンと、エンジンの排出部からの低圧流体を、内部圧力の均衡によりまたは低圧状態から高圧状態へポンプ動作で送られる作動流体の流れに対する抵抗を均衡化する力により、前記加熱交換器へ戻すための流体ポンプとを備える。]
[0006] 1以上の実施形態において、流体を、低圧状態の前記流体の第1の流体源から高圧状態の前記流体の第2の流体源へポンプ動作で移動させる方法が、内部で変位可能な区部材を有するチャンバにおいて、前記チャンバを体積が可変の第1および第2のサブチャンバに分割するステップと、前記第2のサブチャンバにおいて、第1の流体源からの低圧状態の前記流体の容量を受け取るステップと、前記第2のサブチャンバにおける低圧力状態の前記流体の熱ではなく容量を前記第1のサブチャンバにおける第2の流体源からの高圧状態の前記流体の同じ容量と交換するステップとを備える。]
図面の簡単な説明

[0007] 記載の実施例は、限定ではなく例として示し、添付の図面において同じ参照番号を有する要素は、特に指摘のない限り、全体を通して同様の要素を表すものとする。]
[0008] 図1は、実施例による熱システムの模式図である。] 図1
[0009] 図2は、図1のシステムの1サイクルの多数のステップを示す複数の図を含む。] 図1 図2
[0010] 図3は、実施例による熱システムの簡略横断面図である。] 図3
[0011] 図4は、他の実施例による熱システムの簡略横断面図である。] 図4
[0012] 図5Aは、図3のシステムの1サイクルの多数のステップを示す図2に類似する複数の図面を含む。
図5Bは、図3のシステムの1サイクルの多数のステップを示す図2に類似する複数の図面を含む。
図5Cは、図3のシステムの1サイクルの多数のステップを示す図2に類似する複数の図面を含む。
図5Dは、図3のシステムの1サイクルの多数のステップを示す図2に類似する複数の図面を含む。
図5Eは、図3のシステムの1サイクルの多数のステップを示す図2に類似する複数の図面を含む。
図5Fは、図3のシステムの1サイクルの多数のステップを示す図2に類似する複数の図面を含む。
図5Gは、図3のシステムの1サイクルの多数のステップを示す図2に類似する複数の図面を含む。
図5Hは、図3のシステムの1サイクルの多数のステップを示す図2に類似する複数の図面を含む。] 図2 図3 図5A 図5B 図5C 図5D 図5E 図5F 図5G 図5H
[0013] 図6は、他の実施例によるバルブ/ポート機構の簡略横断面図である。] 図6
[0014] 図7は、他の実施例による熱システムの簡略横断面図である。] 図7
[0015] 図8Aは、他の実施例による流体ポンプの簡略横断面図である。
図8Bは、他の実施例による流体ポンプの簡略横断面図である。
図8Cは、図8Bに示すポンプピストン/偏倚素子構造の模式斜視図である。
図8Dは、2つのワンケルエンジンを組み込んだ実施例の模式側面図および上面図を含む。] 図8A 図8B 図8C 図8D
[0016] 図9Aは、他の実施例による熱システムの簡略横断面図である。
図9Bは、システムの1サイクルにおける多数のステップによる図9Aのラッチ機構の簡略図を含む。] 図9A 図9B
[0017] 図10は、実施例による可変条件調節器の簡略横断面図を含む。] 図10
[0018] 図11は、1以上の実施形態による可変調節器安定化装置の簡略横断面図である。
図12は、1以上の実施形態による可変調節器安定化装置の簡略横断面図である。] 図11 図12
[0019] 図13Aは、1以上の実施形態によるさまざまに適用したコクムスエンジンの簡略横断面図である。
図13Bは、1以上の実施形態によるさまざまに適用したコクムスエンジンの簡略横断面図である。] 図13A 図13B
[0020] 図14は、1以上の実施形態において使用する回転シャッター弁を開示する図である。] 図14
[0021] 図15は、1以上の実施形態による高効率熱電併給(CHP)エンジンの特定の応用を開示する図である。] 図15
実施例

[0022] (詳細な説明)
以下の詳細な説明において、説明目的で、詳細に開示された実施例を完全に理解してもらうため、多数の特定の詳細について示す。しかしながら、1以上の実施形態がこれら特定の詳細なしに実施可能であることが明らかになるであろう。他の例では、図面を簡素化するために、周知の構成および装置については模式的に示す。]
[0023] 図1は、熱システム1000の模式図であり、以下スーニーエンジン(Soony Engine)1000と称する。] 図1
[0024] 実施例のスーニーエンジン1000は、熱機関400、加熱交換器500、冷却交換器600および流体ポンプ700を含む。]
[0025] 実施例の加熱交換器500は、作動流体を加熱する閉じた容器である、ボイラーを備える。実施例における作動流体は、圧力下に加熱される。加熱された作動流体の水蒸気または蒸気は、その時点で高圧状態にあり、その後加熱交換器500を出て循環し、エンジンシリンダ400内で使用される。実施例において加熱交換器500の熱源(図示せず)は、木材、石炭、油、天然ガス等のいずれかのタイプの化石燃料を燃焼させたものが可能である。他の実施例では、熱源は、太陽光、電気、核(低レベル核廃棄物等)なども考えられる。熱源は、自動車の排気ガスや工場の煙突等他の処理から捨てられた熱でもよい。]
[0026] 作動流体は、熱機関で利用可能な、どのタイプの作動流体でもよい。これらに限られるわけではないが、例として、水、空気、水素、ヘリウムなどが挙げられる。実施例においては、作動流体として、R−134を使用する。他の実施例では、約212°F等のヘリウムを使用する。]
[0027] 実施例において、冷却交換器600は、冷却の必要がある作動後の作動流体を流す、一連のチューブを含むシェルまたはチューブ交換器である。チューブが冷却チャンバ110を画定する。作動済み作動流体から必要な熱を吸収するようにチューブの上に冷却剤を流す。実施例において、水を冷却剤として使用する。空気等の他の冷却剤の使用も排除しない。]
[0028] 熱機関400は、加熱した作動流体で動作して、加熱された作動流体のエネルギをたとえばクランクシャフトや発電機等の出力機構101を経由する有用な仕事に変換するタイプである。加熱された作動流体は入口ポート121を介して熱機関400に入り、出口ポート122を介して熱機関400を出て冷却交換器600へ排出される。加熱交換器500から冷却交換器600へ熱が伝達される間、熱のいくらかが出力機構101によって有用な仕事に変換される。熱機関400は、TBC(上死点)とBDC(下死点)との間で、熱機関400のシリンダ(参照番号なし)内で移動可能なパワーピストン103を備え、これは、ワンケルエンジンの回転動作も含み、これについては、以下のいくつかの実施形態で後述する。図1に104で示す、TDCにおけるパワーピストン103のてっぺんとシリンダ壁との間のシリンダの内部体積が、パワーピストン103のダウンストロークにおけるピストンチャンバおよびパワーピストン103のアップストロークにおける圧縮チャンバを画定する。以下の実施例のいくつかに後述するとおり、ダウンストローク時には、熱機関400が発生する仕事を外部に伝達するため、かつ圧縮時には、パワーピストン103を駆動して、アップストローク時に使用した作動流体およびのマイナスの仕事を排出するために、パワーピストンシャフト141がパワーピストン103を出力機構101に接続する。] 図1
[0029] これらに限定するわけではないが、エンジンシリンダ400の例として、本明細書の冒頭に挙げた特許および出願、とりわけ、米国特許第5,806,403号および第6,505,538号に開示される多気筒ユニフローエンジンが挙げられる。]
[0030] 流体ポンプ700を設けて、高圧力状態にある加熱交換器500へ、低圧力状態の作動済み作動流体を戻す。いくつかの実施形態では、流体ポンプ700によって、膨張した作動流体を気相−液相変化を経ずに加熱交換器500に戻すことが可能である。流体ポンプ700は、変位可能なポンプピストン113によって2つのサブチャンバ114および112に分けられたポンプチャンバ701を備える。ポンプピストン113は、スーニーエンジン1000のサイクルのある一定の期間(アップストローク等)、ポンプピストン113がパワーピストン103を追随し、かつ他の期間(ダウンストローク等)、パワーピストン103から独立させることを可能にするコネクタ800を介して熱機関400のパワーピストン103により作動的かつ制御可能に駆動される。ポンプピストン113は、偏倚素子709によってさらに偏倚される。いくつかの実施形態では、偏倚素子709は、第2のポンプサブチャンバ112の容量を最小限にする方向にポンプピストン113を引っ張るばねを備える。1以上の実施形態において、下記のとおり適時に流体ポンプを強制的に閉じることができるエアシリンダや何らかのアクチュエータ等、偏倚素子709の他の構成が使用される。]
[0031] 第一のポンプサブチャンバ114は、接続部123を介して熱機関400のピストンチャンバ104と連通可能で、パワーピストン103のダウンストロークにおいて膨張チャンバを画定し、かつパワーピストン103のアップストロークにおいてポンプ変位チャンバを画定する。実施例において、排出ポート122が第一のポンプサブチャンバ114に設けられ、冷却交換器600と第1のポンプサブチャンバ114との間で流体が連通する。ただし、他の構成も排除しない。たとえば、1以上の排出ポート122を第1のポンプサブチャンバ114および/またはピストンチャンバ104および/または接続部123に設ける。同様に、いくつかの実施形態では、1以上の入口ポート121を第1のポンプサブチャンバ114および/またはピストンチャンバ104および/または接続部123に設ける。第一のサブチャンバは、いくつかの実施形態において、後述の通り、膨張チャンバとポンプ変位チャンバの二重の機能を有し、以下「膨張チャンバ」(総称としては、ピストンチャンバ)または「ポンプ変位チャンバ」と称することもある。]
[0032] 第2のポンプサブチャンバ112は、ポンプ出口ポート124を介して加熱交換器500とかつポンプ入口ポート125を介して冷却交換器600と連通可能である。逆止め弁等の1以上の制御素子を1以上のポート121、122、124および125に設けて、スーニーエンジン1000の動作中にそれぞれのポートの開閉を制御する。他の実施例では、バルブ/ポート制御機構(図示せず)も設け、ポート121、122、124および125のうち1つ以上の開放および/または閉鎖を制御する。第2のポンプサブチャンバは、以下の記載では「ポンプ」と称することもある。以下の1以上の実施形態で後述するとおり、「ポンプ」は、ポンプ動作の後、第2のポンプサブチャンバが、最小体積(いくつかの実施形態ではゼロ)かまたはそれに近いときに、閉じられるかまたは「遮断」される。1以上の実施形態で後述するとおり、ポンプ動作の直前、第2のポンプサブチャンバが最大体積(いくつかの実施形態ではポンプチャンバの全体積)かまたはそれに近いときに、「ポンプがいっぱい」になる。]
[0033] スーニーエンジン1000の1つの動作サイクルについて、スーニーエンジン1000の動作の際のいくつかのステップを説明する図1に類似する複数の図を含む図2を参照して説明する。特定のステップの説明に必要な参照番号のみを図2に示す。] 図1 図2
[0034] エンジンの動作を理解するためには、サイクルの3つの点について説明する必要がある。]
[0035] 1)パワーピストン103のダウンストローク時に、ともに膨張するピストンチャンバ104と第1のポンプサブチャンバ114とを含む膨張チャンバ107(図2のステップ1に示す)で発生するプラスの仕事出力の性質。] 図2
[0036] 2)パワーピストン103のダウンストローク時に同時に冷却と圧縮の両方が行われる、ピストンチャンバ104(この時点で圧縮チャンバして機能)と、第1のポンプサブチャンバ114(この時点でポンプ変位チャンバとして機能)と、冷却交換器600の冷却チャンバ110と、第2のポンプサブチャンバ112を備える冷却消費チャンバ100(図2のステップ7に示す)内で発生する再圧縮による引き起こされる反仕事(anti−work)の性質。] 図2
[0037] 3)膨張1)と圧縮2)との間の圧力差により出力される仕事の有効バランス。]
[0038] エンジン1000のプラスの仕事1)は、低圧力の排出シンク(冷却交換器600等)へ向かう高圧の加熱された作動流体の膨張によって作りだされる。]
[0039] 冷却消費チャンバ100におけるマイナスの仕事2)は、圧縮と冷却の際に作動流体に課せられる仕事である。作動流体の収縮は、冷却交換器600の冷却チャンバ110を通過する間の圧縮と熱のレーキングオフによって引き起こされる。]
[0040] 仕事3)は、特に、パワーピストン103が上死点(TDC)と下死点(BDC)との間を移動する際に、膨張チャンバ107における膨張する体積と、冷却消費チャンバ100の収縮する体積との間に生じる仕事または圧力差により作り出される。]
[0041] ステップ1]
[0042] ステップ1は、ポンプ動作直前のスーニーエンジン1000を示す。たとえばパワーピストン103のアップストローク時またはその終了時等TDC時またはそれに近い時点で、加熱交換器500からの高圧力の加熱された作動流体が少しだけ開けられた(ステップ1および2のために)入口ポート121を介して膨張チャンバ107の最小体積内へ注入される。詳細には、加熱交換器500内の作動流体は、入力ポート121を介して、ピストンチャンバ104および第1のサブチャンバ114にいたる。いくつかの実施形態においては、膨張チャンバ107の最小体積は、できる限りゼロに近いものにする必要がある。ここで以下の説明から明らかな通り、第2のポンプサブチャンバ112は、冷却され圧縮された作動流体で一杯である。冷却チャンバ110と第2のポンプサブチャンバ112の間の接続部をステップ1に示し、冷却され圧縮された作動流体が、冷却チャンバ110から第2のポンプサブチャンバ112内へ流れ込む可能性(いくつかの実施形態においては)または流れ込まない可能性(他の実施例では)を示すものである。いくつかの実施形態においては、冷却され圧縮された作動流体が、ポンプ入力ポート125の逆戻り弁等により、冷却チャンバ110(特にポンプ動作の間)へ流れて戻らないようにされる。引っ張りバネ等の偏倚素子709がセットされる。コネクタ800がパワーピストン103とポンプピストン113とを接続できるようにする。このすぐ下に説明するとおり、加熱交換器500から注入された作動流体が、内部力の均衡を達成し、流体ポンプ700がその充填分(第2ポンプサブチャンバ112における)を加熱交換器500内にポンプ動作で戻す。]
[0043] ステップ2]
[0044] ステップ2は、ポンプ動作が完了する直前のスーニーエンジン1000を示す。コネクタ800は、パワーピストン103とポンプピストン113との間の接続を解除できないようにされる。詳述する実施例におけるコネクタ800の解除は、加熱交換器500から膨張チャンバ107に至る加熱された作動流体にアクセスするために、入口ポート121が開かれた後に実行される。しかしながら、いくつかの他の実施例においては、入口ポート121が開かれる時またはその少し前にコネクタ800を不能化する場合も排除していない。コネクタ800が解除された後、ポンプピストン113は、ポンプピストン113を図2のステップ2に示す閉ポンプ位置のほうへ押しやる偏倚素子709の偏倚動作のみを受ける。第2のポンプサブチャンバ112における冷却され圧縮された作動流体は、その時点で開放されたポンプ出口ポート124を介してポンプピストン113によりポンプ動作を受けて、加熱交換器500へ戻される。ポンプピストン113の両側の加熱作動流体の存在によって圧力が等しくされるので、偏倚素子709を使って、ポンプの充填分を加熱交換器500へポンプ動作で押し戻すにはほんの少しのエネルギしか必要としない。ポンプピストン113は、図2のステップ2に示す閉ポンプ位置で止められる。ポンプピストン113が閉ポンプ位置またはそれに近い位置に存在していることで、ポンプピストン113の本体によりまたは、上記のバルブ/ポート制御機構を介してかのいずれかにより、ポンプ出口ポート124が閉められる。いくつかの実施形態において、閉ポンプ位置にある第2のポンプサブチャンバ112の体積は、できる限りゼロに近いものに近いものにする必要がある。膨張チャンバ107では、加熱作動流体が膨張をはじめパワーピストン103をBDCのほうへ移動させ始める。] 図2
[0045] ステップ3]
[0046] ステップ3は、膨張(ダウン)ストロークの初期の段階にあるスーニーエンジン1000を示す。膨張チャンバ107内に隔離されて膨張が起こるように、入口ポート121は閉めてある。ステップ3では、ピストンチャンバ104と第1のポンプサブチャンバ114を含む膨張チャンバ107を加熱交換器500および冷却交換器600から遮断するようにする。パワーピストン103が、ダウンストロークを開始し、断熱的に作動流体が膨張することを可能にする。ポンプピストン113のダウンストロークは、パワーピストンシャフト141を介して出力機構101へ出力される仕事を発生させる。ポンプピストン113は、偏倚素子709により閉ポンプ位置に維持される。]
[0047] ステップ4]
[0048] ステップ4は、膨張(ダウン)ストロークの完了間近のスーニーエンジン1000を示す。膨張チャンバ107内の作動流体は、加熱交換器500および冷却交換器600から隔離されて、BDCの方向へ膨張を続ける。]
[0049] ステップ5]
[0050] ステップ5は、膨張(ダウン)ストロークの終了時、すなわち圧縮(アップ)ストロークの開始時のスーニーエンジン1000を示す。ピストンチャンバ104と第1のポンプサブチャンバ114は、膨張チャンバから圧縮チャンバへ変更の途中である。パワーピストンシャフト141は、(a)作動流体の膨張によるプラスの仕事を外部へ移動させる状態から(b)外部からのマイナスの仕事を移動させて、作動済みの作動流体の次の圧縮を駆動する状態へ変換される途中である。パワーピストン103は、そのダウンストロークを完了しており、BDCに到達している。排出ポート122が冷却交換器600に対して開かれる。ピストンチャンバ104および第1のポンプサブチャンバ114は、この時点で、それぞれ、圧縮チャンバとポンプ変位チャンバに変わり、作動流体を冷却交換器600内へ押し込むことができる。パワー出力ダウンストロークは、ステップ6の圧縮に備えて、圧縮入力アップストロークにシフトする。]
[0051] ステップ6]
[0052] ステップ6は、圧縮(アップ)ストロークの初期段階におけるスーニーエンジン1000を示す。コネクタ800を再び作動させてパワーピストン103とポンプピストン113とを接続する。こうして、ポンプピストン113が、パワーピストン103での閉ポンプ位置から、後者のアップストロークの際に移動する。なお、BDCでの各サイクルの間、膨張チャンバ107は、モードを変更して冷却消費チャンバ100(図2のステップ7に最もよく示される)になっており、消費された作動流体が、ここで同時に圧縮され冷却される。エンジン出力(その時点では圧縮部として機能)から反仕事(パワーピストンシャフト141経由)を引き起こす圧縮入力アップストロークは、ピストンチャンバ104(この時点で圧縮チャンバとして機能)および第1のポンプサブチャンバ114(その時点でポンプ変位チャンバとして機能)における消費された作動流体を取り込み、圧縮を開始する。排出ポート122およびポンプ入口ポート125が開かれ、ポンプ変位チャンバ114からの再圧縮された消費済み作動流体が冷却交換器600内に入る。その後、冷却され圧縮された作動流体が、パワーピストン103およびポンプピストン113の依然としてアップストローク動作によって強制的に第2ポンプサブチャンバ112内へ押し込まれる。] 図2
[0053] ステップ7]
[0054] ステップ7は、その圧縮(アップ)ストロークの途中にあるスーニーエンジン1000を示す図である。圧縮チャンバ104は、パワーピストン103が圧縮チャンバ104の体積を侵食する間、引き続き閉じたままである。なお、ポンプピストン113の両側の圧力は等しくされる。圧縮入力(図2のステップ6から8に模式的に示す)は、熱機関400のプラスの仕事出力に対して課される反仕事により引き起こされる。] 図2
[0055] ステップ8]
[0056] ステップ8は、圧縮(アップ)ストロークの完了時に近い時点でのスーニーエンジン1000を示す。第2のポンプサブチャンバ112は、ほぼ完全に一杯に近づき、そのポンプ充填分を加熱交換器500に放出する準備ができつつある。スーニーエンジン1000は、再びステップ1を開始する準備ができている。]
[0057] 上記は、膨張と圧縮のサイクルを経る際の熱機関400の1つのパワーシリンダを中心に記載する。いくつかの実施形態においては、スーニーエンジン1000の熱機関400が、各々が専用の流体ポンプ700と冷却チャンバ110を備える2以上のシリンダを備える。たとえば、ある実施例の熱機関400は、互いに90°ずつオフセットされた4つのパワーシリンダを有し、これらすべてが各パワーシリンダのパワーピストンシャフト141に接続された共通のドライブシャフトに作用して、連続した回転仕事出力を確実にする。1以上のパワーシリンダのプラスの膨張仕事を一部利用して、他のパワーシリンダのマイナスの圧縮仕事を行う。]
[0058] 1以上の実施形態において、冷却チャンバ110および/または加熱交換器500の熱交換器チャンバが現実的に可能な限りの大きさ(熱システムの他のチャンバに比較して)に構成される。]
[0059] 1以上の実施形態において、たとえば圧縮チャンバ107と冷却チャンバ110との間の排出ポート122における逆戻り弁等により、冷却チャンバ110における圧力が保持される。冷却チャンバ110の圧力が、いくつかの実施形態において、以下の実施例において約373psi等のシステムの中間圧力付近で、止められる。逆戻り弁の存在により、圧縮ストロークの開始時に、膨張作動流体はすぐには冷却チャンバ110に移動しない(図2のステップ6)。] 図2
[0060] その代り、圧縮ストロークの初期段階で作動済み作動流体をピストンチャンバ104および第1のポンプサブチャンバ114内でまず圧縮する(図2のステップ7)。依然として隔離されているピストンチャンバ104および第1のポンプサブチャンバ114内の圧力は、以下に説明する実施例にあるような約255psiのシステムの最小圧力より上昇する。同時に、ポンプ入口ポート125が開いている間、その時点で第2のポンプサブチャンバ112に接続される冷却チャンバ110内の圧力は、付加され上昇する第2のポンプサブチャンバ112の体積のせいで、以下の実施例のとおり、約306psi等までわずかに減少する。圧縮ストロークの初期段階での第2のポンプサブチャンバ112内の圧力は、第1のポンプサブチャンバ114内の圧力より高く、TDCに向かうパワーピストン113の上向きの動きを容易にする等、ポンプの開放を支援する。このため、いくつかの実施形態においては、圧縮ストロークの開始時に、即時コネクタ800を起動する必要はなく、第2および第1のポンプサブチャンバ112および114内の圧力が等しくなるまで、これら2つのポンプサブチャンバの圧力差によって、ポンプピストン113を、TDC方向へ「浮遊」させる。] 図2
[0061] 第1および第2のポンプサブチャンバ114および112間の圧力が等しくなると、ポンプピストン113は、その時点で起動されたコネクタ800を介してパワーピストン113により強制的にTDCに向かって移動させられ、これによりピストンチャンバ104および第1のポンプサブチャンバ114内の作動済み作動流体がさらに圧縮される。第1のポンプサブチャンバ114およびピストンチャンバ104の作動済み圧縮作動流体の圧力が排出ポート122の逆戻り弁の開放圧力に達すると、排出ポート122が開き、圧縮された作動流体が冷却チャンバ110内に流れ込み、冷却チャンバ110および第2のポンプサブチャンバ112内の圧力を、下記の実施例にあるような、たとえば306psiから373psiの範囲の所望のレベルへ再び押し上げる。パワーピストン103およびポンプピストン113により冷却チャンバ110に流れ込んだ圧縮作動流体は、冷却交換器600の冷却剤によってより低いエントロピーまで冷却される。冷却され圧縮された作動流体は、次に第2のポンプサブチャンバ112内へ移動する。]
[0062] ともに大容量の冷却チャンバ110を提供し、大型冷却チャンバ110内の圧力を抑える実施例により、(a)冷却チャンバ110と膨張チャンバ107との間の乱流が防止され、(b)第2のポンプサブチャンバ112内の作動流体が熱の除去なしに圧縮されてしまうことを防止する。いくつかの実施形態においては、冷却チャンバ110および第2のポンプサブチャンバ112を中間圧力近くに保持することで、第2のポンプサブチャンバ112内の圧力を安定化させ、アップストローク時の圧縮チャンバ全体の作動流体の圧縮フェーズの際に熱の吸収能力を向上させる。なお、アップストロークの初期段階において、ちょうど、流体ポンプ700におけるより高圧の均一化が、TDCでの流体ポンプ700の急速な閉鎖を支援するように、流体ポンプ700におけるより低圧での均一化を図ることで、流体ポンプ700の開放が支援される。]
[0063] 1以上の実施形態において、ステップ1および2に記載されるポンプ動作によって、第2のポンプサブチャンバ112における冷却および圧縮作動流体の容積(ステップ1)が、第1のポンプサブチャンバ114における加熱された作動流体の同じ容積と交換される(ステップ2)。この実施例では、スーニーエンジン1000が、典型的なスターリングエンジンが熱交換するより非常に速い速度で容積を交換する。典型的なスターリングエンジンでは、この熱交換プロセスにおける回避不能な遅れが、熱効率の30%の損失を被る理由である。詳細には、典型的なスターリングエンジンは、作動流体が十分に加熱される前に仕事出力のいくらかが発生するように、作動流体が作動ストロークの間に熱を吸収しているので、仕事出力を失う。このように、スーニーエンジン1000の1以上の実施形態における容積の交換は、スターリングエンジンよりもより慎重で急速にすることができる。]
[0064] 一局面において、典型的なスターリングエンジンとは違い、1以上の実施形態によるスーニーエンジン1000は、熱機関400の作動シリンダに注入されて戻ってくる前に完全に加熱できるように、作動流体の容積(第2のポンプサブチャンバ112からの)をすべて循環させる。これにより、作動流体はその仕事出力の能力を十分に実現することができる。同様に、1以上の実施形態において、サイクルの圧縮フェーズの際に、作動流体を完全に冷却する。したがって、1以上の実施形態において、スーニーエンジン1000は、典型的なスターリングエンジンにより無駄になる30%の効率のいくらかまたは多くを利用してカルノーブラケット(Carnot bracket)をくまなく実現する。]
[0065] 1以上の実施形態において、典型的なスターリングエンジンによる30%の効率損失を、(a)流体ポンプ700の急速な閉鎖動作によりおよび/または(b)偏倚素子709のコッキングによるわずかの損失だけで取り戻すことができる。前者、すなわち流体ポンプ700の急速な閉鎖動作は、ポンプピストン113の対向する側にかかる圧力を等しくすることにより、ポンプ動作のための偏倚力がほとんど出力損失なしに作用することができるため実現可能である。1以上の実施形態において、スーニーエンジン1000は作動流体の循環を強制的に行わず、自然に行われるようにする。均衡がとれた圧力環境下では、偏倚素子709は、流体ポンプ700の閉鎖(図2のステップ2)を実際に引き起こす。偏倚素子709の力を、均一化が生じるTDCにおける機会の瞬間までロードして保存しておき(図2のステップ1)、急速なポンプの閉鎖動作を図る。1以上の実施形態において、TDCでの機会の瞬間に備えて偏倚素子709をセットするコネクタ800により、同じく均衡圧力条件下に、流体ポンプ700が開放される(図2のステップ6−8)。後者、すなわち、いくつかの実施形態においては、偏倚素子709をセットすることによる損失は、典型的なスターリングエンジンによる30%の効率損失に比べれば、4.5%から5%等とわずかであり、偏倚素子709の力は、依然としてポンプピストン113を動かすのに十分であり、この時間フレームにおいて、ポンプ機構の総重量を克服するのに十分な速度がある。] 図2
[0066] 他の局面では、流体ポンプ700のポンプ開放時(ステップ5から8)およびポンプ閉鎖時(ステップ1から2)の際の、1以上の実施形態による、スーニーエンジン1000の内部圧力のバランスにより作動流体が十分に循環し、熱機関400に入る前に十分に加熱されおよび/または圧縮の際に十分に冷却されることが可能である。1以上の実施形態における、スーニーエンジン1000の構成は、エンジン内に内部力の一瞬の均衡があって、エネルギをあまり使わずまたは典型的なスターリングエンジンを含む他のエンジンに生じる典型的な損失を被ることなく、低温/低圧力から高温/高圧力へ作動流体の急速な搬送が図られる場合、そのサイクルの間に訪れる機会の瞬間ウィンドウを利用する。この局面においては、スーニーエンジン1000は、ブライトン(Brayton)、ランキン(Rankin)、エリクソン(Ericsson)や標準的スターリングエンジンでもない、新しい種類の熱機関である。]
[0067] 実施例]
[0068] スーニーエンジン1000の実施態様の特定の実施例について以下に説明する。]
[0069] A.膨張]
[0070] スーニーエンジン1000の仕事出力(W=ΔpΔV)は、作動流体がサイクルを経る際の膨張と圧縮の間の仕事差である。]
[0071] W=W膨張−W圧縮/冷却=ΔpΔV膨張−ΔpΔV圧縮/冷却]
[0072] 作動流体としてヘリウムを利用して、212°Fから62°Fの温度範囲および480psiから255psiの圧力範囲のパラメータで、膨張チャンバ107は以下のように膨張する。]
[0073] ΔV膨張=VBDC膨張−VTDC膨張=480psiで、1容積単位]
[0074] ここで]
[0075] VBDC膨張は、BDCにおける膨張チャンバ107の総体積(=3.1877容積単位等)であり、ピストンチャンバ104と第1のポンプサブチャンバ114の最大体積の合計により規定され(ステップ5)、かつ]
[0076] VTDC膨張は、TDCにおけるピストンチャンバ104の体積はゼロであると仮定して、TDCにおける膨張チャンバ107の総体積(たとえば=2.1877容積単位)であり、第1のポンプサブチャンバ114の最大体積により規定される(ステップ2)。]
[0077] VBDC膨張/VTDC膨張は、膨張の比率である(たとえば、3.1877/2.1877=1.4571倍)。]
[0078] こうして、加熱交換器500から2.1877容積単位の高温/高熱の作動流体を注入される第1のポンプサブチャンバ114は、パワーピストン103がTDCからBDCへ移動する際1容積単位膨張し、膨張中の作動流体において、480psiから255psiまでの圧力の低下が起こり、かつ212°Fから62°Fへの温度の低下が起こる。]
[0079] B.圧縮、冷却およびポンプ動作]
[0080] 上記のとおり、BDCからTDCへのアップストロークの際に、パワーピストン103とポンプピストン113は、冷却消費チャンバ100に侵入し、それまで膨張していた作動流体を冷却交換器600の冷却チャンバ110内へ圧縮しておくり、その後、上記のとおり排出ポート122で逆戻り弁により約373psiに保持される流体ポンプ700の第2のポンプサブチャンバ112に流れ込ませる。]
[0081] ピストンチャンバ104(この時点では圧縮チャンバとして機能)と第1のポンプサブチャンバ114(この時点ではポンプ変位チャンバとして機能)の総体積は、アップストロークの間1容積単位だけ圧縮されるので、膨張作動流体の圧力は255psiから372.96psiまで上昇する。ポンプピストン113が、ポンプ変位チャンバ114内に侵入するのにほとんど仕事損失を要しない。これは、ポンプピストン113の対向する側にかかる圧力が等しくされるからである。作動流体は、冷却変換器600の冷却チャンバ110に入り、その後、流体ポンプ700の第2のポンプサブチャンバ112に入るが、約373psiのほとんど一定の圧力で62°Fに保持され、エントロピーが7.2148から7.0263Btu/lbm-°Rへ低下し、かつ加熱交換器500において加熱された流体に等しい濃度の上昇がある。]
[0082] たとえば、冷却交換器600の冷却チャンバ110が、10容積単位で、逆戻り弁により封じられると、冷却消費チャンバ100の初期総体積VBDC圧縮/冷却は、13.1877容積単位(ステップ6)になり、かつ冷却消費チャンバ100の最終総体積VTDC圧縮/冷却は、12.1877容積単位となる。ピストンチャンバ104および第1のポンプサブチャンバ114の総体積における2.1877/3.1877=68.63%の減少が1/1.4571の膨張に対抗するためには必要である。255psiから約372.96psiの圧縮とともに、62°Fでの一定の冷却でのエントロピーの減少(7.2148から7.0263Btu/lbm−°R)が、第2のポンプサブチャンバ112から加熱交換器500へのポンプ動作による全流量が、正確に加熱交換器500から第1のポンプサブチャンバ114へ供給される流量になるように、密度を上昇させる。ポンプピストン113の両側の圧力が等しいので、作動流体は、最小限の効率損失で循環し、この特定の例において、スーニーエンジン1000がその最適カルノー効率能力に近づくことを可能にする。]
[0083] C.熱効率]
[0084] 以下に、エンジン効率を決定するのに使用する熱と仕事損失/利得(h&Q)の詳細な内訳を示す。]
[0085] ζ= W膨張−W圧縮/冷却/d2/di × (Q)]
[0086] ここで]
[0087] d2=ポンプ動作前で、62°Fでかつ373psiの圧縮作動流体の濃度。]
[0088] d1=62°Fでかつ255psiまたはBDCにおける、膨張した作動流体の濃度。]
[0089] Q1=再圧縮の前に、エンジン膨張により消費される熱(480psiから255psiで)。]
[0090] Q2=流体ポンプ700における62°Fから加熱交換器500の212°Fまでの熱の補充。]
[0091] W膨張=hヘリウム@212°F−hヘリウム@62°F=4673.6Btu−4485.4Btu=188.2Btu/lbm]
[0092] 圧縮により引き起こされるマイナスの仕事を決定する。]
[0093] 圧縮温度は、62°Fで一定なので、Whe=−∫viV2mRTdV/V=−∫viV2mRTdP/Pとなる。]
[0094] 以下のように仮定する。]
[0095] P高=480psi(加熱交換器500において)]
[0096] P中間=373psi(第2のポンプサブチャンバ112において)]
[0097] P低=255psi(冷却交換器600の冷却チャンバ110において)]
[0098] V開=3.1877単位(VBDC膨張)]
[0099] V閉=2.1877単位(VTDC膨張)]
[0100] そこで、]
[0101] dP=373−225psi=118psi]
[0102] ΔV=1単位]
[0103] m=.18081lbm/ft3を利用して、ヘリウムの1ft3の重量は、]
[0104] −Whe=−∫v1v2mRTΔV/V=−128.56Btu/lmb]
[0105] 熱の損失と利得に対処するため、ここでシステムを循環する作動流体の特定の条件について、見ていく。加熱交換器500へ送られる前の3.1877単位から2.1877単位(255psiから373psi)への部分的圧縮は、255psiと480psiの中間である。この圧縮によって起こる密度の上昇により、実際には、作動流体が、部分的に上昇した圧力条件下で加熱交換器500に流れて戻る。]
[0106] 圧縮の際に水等の冷却剤で除去された熱は、以下のように決定する。]
[0107] Q1=4673.6Btu−4485.4Btu=188.2Btuである。255psiから480psiまで同じ1単位を上げるために、同じ188.2Btuが必要である。]
[0108] Q2=4674.6Btu−4486.5Btu=187.1Btu/lbm]
[0109] 加熱交換器500における循環流体に加える必要があるlbm当たりの熱は、再圧縮の際に取り除かれる熱と同じである。圧縮フェーズは断熱であるから、作動ダウンストロークの間には実際に熱の除去はない。再圧縮の際に熱の除去が起こる一方で、流体は一定の低い温度62°Fで保持される。この熱の除去は、再圧縮され冷却される際の膨張作動流体の密度における変化の要素である。圧縮流体(62°Fで維持される)は、373psi(255psiと480psiとの中間)まで昇圧させるので、Q2(圧縮時に除去されるlbm当たりの熱は、レザボアに加えられることになる熱に等しい)は、一定の温度である62°Fで、255psiから373psiまでの圧力の変化により引き起こされる密度の上昇の係数である。]
[0110] 流体ポンプ700の62°Fから加熱交換器500における212°Fまでの熱の補充は、]
[0111] 255psiから373psiまでの圧縮の際に取り除かれる熱によるζ=d2/d1×(Q2)=d2/d1×187.1Btu の損失である。]
[0112] これは、62°Fから212°Fまたは373psiから480psiに作動流体の温度を上昇させるために補充が必要な同じ熱である。加えた熱は、Btu/lbmで測定するので、レザボアにおいて補充される熱は、一定の温度62°Fでの圧縮の際に引き出された熱と同じであり、圧縮時の密度における増加の係数に膨張時に生じる可逆な断熱の熱差を乗算したものである。]
[0113] dV =VTDC膨張/ VBDC膨張=2.1877/3.1877 = 0.6863]
[0114] d2/d1 = 3.1877/2.1877 (上記の逆) = .23644 lbm/ft3/ .18080 lbm/ft3 = 1.4571]
[0115] 冷却交換器600の冷却チャンバ110において抑えられた10単位で示す圧力は、〜373psiの極限圧力を保持する。流体ポンプ700の第2のポンプサブチャンバ112が、2.1877単位で完全に開くと、第2のポンプサブチャンバ112および冷却チャンバ110の両方における圧力のバランスは、以下のように低下する。]
[0116] 10単位×373psi/12.1877=306.05psi]
[0117] 255psiで3.1877単位が冷却チャンバ110および流体ポンプ700の第2のポンプサブチャンバ112に12.1877単位で強制的に流入させられると、圧力は再び上昇する。]
[0118] P=306.05×12.1877単位+255×3.1877単位/12.1877単位=372.75psi、すなわち平均373psiの圧力となる。]
[0119] 上記のデータに基づき、スーニーエンジンの効率が以下の通り決定される。]
[0120] ζ= W膨張− W圧縮/冷却/d2/d1×(Q1)]
[0121] =188.2Btu−128.56Btu/1.4571×187.1Btu=21.88%]
[0122] こうして、この特定の例におけるスーニーの熱効率は、21.88%となる。この例でのスーニーエンジン1000は、62°F(289.82°K)および212°F(373.15°K)の間で動作するので、この温度領域でのカルノー限界(1-289.82/373.15)は、22.33%であり、スーニーエンジン1000は、理論的には21.88%の効率を達成でき、これは、22.33%効率のカルノー限界の98%に当たる。]
[0123] 上記の例においては、作動流体としてヘリウムを利用したが、これらに限定されるわけではないが、水素や空気を含む他の媒質の利用も排除しない。不活性で、完全気体に非常に類似するため、最適な熱-仕事変換を提供するので、ヘリウムガスは、理想的な作動流体として上記の例に適する。沸点が絶対零度に近いほど、そのカルノーポテンシャルは向上する。粘度が上がるほど、生じる漏れは少なくなる。]
[0124] 実施例は、変化する熱/圧力条件下で、スーニーエンジンを駆動するための太陽光およびスタック廃熱等により加熱されている作業流体の膨張能力を最適化するために変更を加えることもできる。そのような変更例には、膨張チャンバ107および冷却消費チャンバ100の体積を制御および自己調節して、それぞれ、冬はより低い太陽光分離に対応し、夏にはより高い分離に対応する、170°Fから300°F等の可変温度により課せられる可変温度/圧力条件に適応する。より高い温度と圧力で、仕事出力が偏倚機構をセットするのに必要なマイナスの仕事よりかなり大きくなるので、全体的スーニー効率がかなり向上する。]
[0125] 様々な実施例について以下にさらに説明する。]
[0126] 図3は、連続的に遠心力による慣性の蓄積を図り、パワーを出力する、ワンケル回転エンジンを使用する実施例による、熱システムまたはスーニーエンジン3000の簡略横断面図である。図4は、ワンケル系ではなく、ピストンにより作動する類似の構成4000の図である。これらに限定されるわけではないが、ワンケル構成には、ラメッリ、オットー・フォン・ゲーリケ、ペッペンハイム、ワット、イライジャ・ギャロウェイ、ジョーンズ、アロタム/フランコット、クーリー、アンプレビー、ウォリンダー/スクーグ、センソウド/ラバウド、バーナード・メイラード、(Ramelli, the Otto von Guericke, the Pappenheim, the Watt, the Elijah Galloway, the Jones, the Alotham/Franchot, the Cooley, the Umpleby, the Wallinder/Skoog, the Sensaud/Lavaud, the Bernard Maillard)および最近のジョージ・ヤール(George Yarr)の構成が含まれる。] 図3 図4
[0127] スーニーエンジン3000は、加熱交換器500、図1の熱機関400に対応しかつパワーピストン103に対応するワンケルピストン3103を有する1以上のワンケルエンジン403、ワンケルエンジン403の各作動チャンバのための流体ポンプ700R/Lおよび各流体ポンプ700用の冷却チャンバ110を備える冷却交換器(参照番号無)を備える。各ワンケルエンジン403は、図1のピストンチャンバ104に順次対応する3つの作動チャンバ3107R/L/Mを備える。ワンケルエンジン403はまた各々が冷却交換器において冷却チャンバ110R/Lを有する2つの流体ポンプ700R/Lを備える。カム機構144(図3)は、流体ポンプ700L/Rのポンプピストン113/Rを左/右ポンプシャフト141L/Rを介して主パワーピストンシャフト141(図1と同様に)接続するカム144L/R(図5Aから図5H)を備える。いつくかの実施形態において、補助冷却素子(全図面に表示しているわけではない)が、流体ポンプ700L/R内に設けられて、冷却交換器の冷却効果に加え、冷却され圧縮された作動流体をさらに冷却する。1以上の実施形態において、補助冷却素子は、冷却交換器から迂回させたいくらかの冷却剤を有する管を複数組備える。] 図1 図3 図5A 図5H
[0128] 図示したワンケルの構成は、バルブ構成と一般的な設計を大いに簡素化して、生産コストをかなり下げたものである。詳細には、いくつかの実施形態において、回転構成によりピストンストロークバルブ構成の必要性をなくしている。いくつかの実施形態において、内部のピストン起動のバルブ構成なしに、回転動作が膨張チャンバ107を冷却消費チャンバ100および/またはその逆に自動的にシフトさせる。いくつかの実施形態において、カム機構144により、他の複雑なタイミング機構が不要になる。]
[0129] いくつかの実施形態において、逆戻り弁970R/Lを、ワンケルエンジン403と冷却チャンバ110R/Lとの間の排出ポート122R/Lに配置する。(いくつかの実施形態において、同様の逆戻り弁を図4のピストン系の構成にも設けている)。上記の実施例のように、逆戻り弁970R/Lを用いて、冷却チャンバ110R/Lおよび第2のポンプサブチャンバ112R/L内の保持圧力レベルを〜373psi等に維持する。可変条件調節器1001R/L(以下に説明する)をいくつかの実施形態において設ければ、保持圧力は、変化する。可変条件調節器1001R/Lは他の実施例では設けられない。高圧作動流体が圧縮チャンバ107R/Lに放たれると、膨張チャンバ107R/Lにおける高圧力作動流体は膨張して、圧力がその低いレベルに落ち、膨張チャンバ107R/Lは、自動的に冷却消費チャンバ100R/Lにシフトして、その消費作動流体は、加熱交換器500の当初の熱さ/最大圧力(本例では480psi等)と膨張作動流体の最小圧力(本例では255psi等)間の約中間にまでの再圧縮が開始される。冷却チャンバ110R/Lにおける逆戻り弁970R/Lは、内部の圧縮流体をその一定に近い中間の上昇圧力で維持し、それにより流体ポンプ700R/Lの第2のポンプサブチャンバ112R/L内への流量を安定させ、圧縮フェーズの際にポンプ内の流体が過度な圧縮変動をしないようにする。] 図4
[0130] これにより、ワンケル回転構成(膨張チャンバ107R/Lを自動的に冷却消費チャンバ100R/Lに変えることができる能力を有する)および/または簡単なカム機構144(タイミング機構における他の複雑性を排除する)がすべてスーニーエンジン3000の構成を大変簡素化する。]
[0131] スーニーエンジン300の動作における様々な(図示は8つ)ステップについて、図2と同じように、図5Aから図5Hを参照して説明する。パワーピストン141の回転の間、同じように作用するが、角度的に離間した(90°等)、より多い数、たとえば2つの連続回転ピストン3103を、エンジンが有しうるという認識で、説明は、1つの回転ワンケルピストン3103(図3)の動作に焦点を当てる。] 図2 図3 図5A 図5H
[0132] なお、図1と同様、膨張チャンバ107R/L(図5Bに最も良く示される)が、それぞれの回転ピストン区画3107R/L/Mおよびポンプ変位区画114R/L(開放時)の2つの体積分を備える。同様に、冷却消費チャンバ100R/L(図5Cに最も良く示される)は、それぞれの回転ピストン区画3107R/L/M(圧縮器)、ポンプ変位区画114R/L(閉鎖時)、冷却チャンバ110R/Lおよび第2のポンプサブチャンバ112R/Lなど4つの体積分を備える。] 図1 図5B 図5C
[0133] ステップ1−図5A] 図5A
[0134] 右のスプール弁115Rは開放され、右の第1のポンプサブチャンバ114R(ここでは膨張チャンバとして作動する‐図5Bに最も良く示される)は空で、急速に充填する準備ができている加熱交換器500からの高温高圧作動流体によりアクセスされる。右流体ポンプ700Rの右側の第2のポンプサブチャンバ112Rは、加熱交換器500内にポンプ動作で戻される準備ができている、冷却され、圧縮された作動流体で完全に充填される。右作動チャンバ3107Rは加圧される。右偏倚素子709Rは、完全にセットされて、第2のポンプサブチャンバ112Rから冷却された充填分を加熱交換器500へポンプ動作で戻す準備ができている。内部力/圧力のバランスによって、右流体ポンプ700Rがその充填分を高圧/高温加熱交換器500へ放出して戻す。右流体ポンプ700Rは、図2のステップ1と同じような状態にある。] 図2 図5B
[0135] 回転エンジンにおける左作動チャンバ3107Lは完全に膨張し、その膨張体積を右側の圧縮冷却消費チャンバへ変換する準備ができている。左流体ポンプ700L(すなわち第2のポンプサブチャンバ)は完全に空で、回転エンジンの左作動チャンバ3107Lが冷却チャンバ110Lおよびその後左流体ポンプ700Lの第2ポンプサブチャンバ112L(図5Cに最もよく表される)を通過しながら、消費作動流体を圧縮し始めると、開き始める準備ができる。左流体ポンプ700Lは、図2のステップ5と同様の状態にある。] 図2 図5C
[0136] ステップ2−図5B] 図5B
[0137] 上記のとおり、膨張の際に、右膨張チャンバ107R等の膨張チャンバは、右第1ポンプサブチャンバ114Rおよび右作動チャンバ3107Rを備える。圧縮の際に、左冷却消費チャンバ100L(図5Cに最も良く示す)等の冷却消費チャンバは、左第1ポンプサブチャンバ114Lおよび左作動チャンバ3107Lのみならず、開放左流体ポンプ700Lにおける左冷却チャンバ110Lおよび左第2ポンプサブチャンバ112Lを含む。1以上の実施形態において、最適効率のため、膨張作動流体は圧縮の間、対応のピストン区画から強制的に出されるかおよび/またはピストンチャンバの体積が閉鎖される。] 図5C
[0138] 右側で、加熱交換器500からの高温/高圧作動流体が、図1の接続部123に対応する右入口ポート121Rを介して右膨張チャンバ107Rの2区画体積、すなわち右第1ポンプサブチャンバ114Rおよび右作動チャンバ3107Rへ、右スプール弁115R(図1の入口ポート121と同様に機能する)を介して注入されている。右流体ポンプ700Rにおける急速なポンプ動作が生じて右流体ポンプ700Rの充填分が右ポンプ出口ポート124Rを介して加熱交換器500へ戻る。右流体ポンプ700Rは完全に空でかつポンプストロークの次の開放に向けて準備ができている。詳細には、右ポンプピストン113Rの対向する側の圧力条件の均衡により、圧縮ばね等の右偏倚素子709Rは、強制的に右流体ポンプ700Rを閉じることができた。カム機構144は、右ポンプシャフト141Rに対するロックを解除していて、右流体ポンプ700Rが閉じることを可能にした。同様に、ワンケルピストン3103は、右作動チャンバ3107R(右側からの供給を受ける)において、その膨張ストロークを開始している。右流体ポンプ700Rが完全に閉められると、右スプールバルブ機構975Rが右スプール弁115を引っ張って閉じる。右流体ポンプ700Rは,図2に示すステップ2と同様の状態にある。] 図1 図2
[0139] 左側では、左膨張チャンバ107Lにおいて作動流体が完全に膨張している。右作動チャンバ3107R内に注入された作動流体が主ドライブシャフト141を回転させると、左流体ポンプ700Lがワンケルピストン3103と一緒に開き始め、圧縮作動流体が左第2ポンプサブチャンバ112Lへ充填されると、左冷却消費チャンバ100Lにおける膨張した作動流体の圧縮を強制する。左冷却チャンバ110Lが、その体積が加圧すると熱を取り出し始めて、左冷却消費チャンバ100Lにおける消費作動流体からのエントロピーを下げる。右膨張チャンバ107Rがワンケルピストン3103の移動を開始すると、左ポンプピストン113Lの移動を開始する左ポンプシャフト141L(主ドライブシャフト141上のカム144に作用する)を介してのタンデム動作を引き起こし、こうして左排出ポート122Lを経由、左冷却チャンバ110Lを介して消費作動流体を左作動チャンバ3107Lから引き出して左ポンプサブチャンバ112Lへ送る。左流体ポンプ700Lは、図2のステップ6と同様の状態にある。] 図2
[0140] ステップ3−図5C] 図5C
[0141] 右膨張チャンバ107Rの体積は、右スプール弁115Rが閉じたままである状態で継続して開放され、右膨張チャンバ107R(右第1ポンプサブチャンバ114Rおよび右作動チャンバ3107Rの体積分を含む)における作動流体が断熱的に膨張することを可能にする。右流体ポンプ700Rは図2のステップ3と同様の状態にある。] 図2
[0142] 右側で作動流体が膨張を続ける間、左冷却消費チャンバ110Lの冷たい消費作動流体は、左冷却チャンバ110Lを介して左流体ポンプ700Lへポンプ動作で継続的に送られる。ワンケルピストン3103が左作動チャンバ3107Lに入り込みかつ左ポンプピストン113Lが左冷却消費チャンバ100Lの左第1ポンプサブチャンバ114L(その時点でポンプ変位区画として動作する)内に入り込み、圧縮を引き起こす。左冷却チャンバ110Lで冷却が生じ、加圧体積のエントロピーを下げて、左流体ポンプ700Lの体積変位を受け入れワンケルピストン3103による左作動チャンバ3107Lの閉鎖をさせる。左ポンプ逆戻り弁655Lおよび656Lは、ポンププロセスを通してポンプ動作された作動流体を止める。]
[0143] 左偏倚素子709Lは、左ポンプシャフト141Lおよびカム機構144の対応のカム144Lとの間で接点582を介してセットされている。カム機構144が左周りに回転すると、接点582がパワーピストンシャフト141からより離れて半径方向に移動して、左ポンプシャフト141Lが、この特定の実施形態においては、図面の上部左隅へ移動し、圧縮バネである、左偏倚素子709Lをコッキングする。左流体ポンプ700Lは、図2に示すステップ7と同様の状態にある。] 図2
[0144] ステップ4−図5D] 図5D
[0145] 右膨張チャンバ107Rにおける作動流体は膨張を続ける一方、左冷却消費チャンバ100Lにおける冷却消費流体は、その流体が開放された左流体ポンプ700L内にポンプ動作で入れられるとエントロピーの損失および圧縮により収縮を続ける。左偏倚素子709Lは、左流体ポンプ700Lが開くと完全にコッキングされた状態に近い。左ポンプピストン113Lの両側の圧力が等しくされる。]
[0146] 右流体ポンプ700Rは、図2におけるステップ4と同様の状態にある。左流体ポンプ700Lは、図2におけるステップ8と同様の状態にある。] 図2
[0147] ステップ5−図5E] 図5E
[0148] ワンケルピストン3103の右側は、そのダウンストロークを完了している。右作動チャンバ3107Rの右入口ポート121Rはワンケルピストン3103により閉じようとしているが、左排出ポート122Lは、右作動チャンバ3107Rにある消費作動流体を左流体ポンプ700Lの左冷却チャンバ110Lおよび左第2ポンプサブチャンバ112Lを含む冷却消費チャンバ100Lへ放出するためにまだ開放されていない。右排出ポート122Rはここで、右冷却消費チャンバ100Rに対して開放される(右逆戻り弁970Rの開放により)。右逆戻り弁970Rが冷却消費チャンバ100Rにおける加圧体積を分離し、それにより右流体ポンプ700Rへの流量を安定させる。]
[0149] 右流体ポンプ700Rは図2におけるステップ5と同様の状態または図5Aにおける左流体ポンプ700Lの状態にある。] 図2 図5A
[0150] 左膨張チャンバ107Lへの左スプール弁115Lが開放されている。結果として、左作動チャンバ3107への左入口ポート121Lが開放され、ワンケルピストン3103がそのスーニーエンジン3000の左側のためのパワーダウンストロークを始めると、その体積が膨張し始める。加熱交換器500からの左膨張チャンバ107Lに注入されている作動流体も、左流体ポンプ700Lにおける圧力を等しくし、左流体ポンプ700Lにおける圧力を等しくし、左流体ポンプ700Lが、圧縮バネ等の左偏倚素子709Lの力で閉じることを可能にする(次のステップにおいて)。一方、左偏倚素子709Lは、ほとんど完全にコッキングされており、左ポンプシャフト141Lとカム機構144の対応するカムとの間の接点582が、そのコッキング移動の最終地点583に接近する。接点582が最終地点583を通過すると、左ポンプシャフト141Lおよび左ポンプピストン113Lはワンケルピストン3103の駆動力から解放され左偏倚素子709Lが急速に左流体ポンプ700Lを閉じることを可能にする。]
[0151] その充填分で満たした左流体ポンプ700Lの左第2ポンプサブチャンバ112Lは、再びその充填分を加熱交換器500に放流して戻す準備ができている。(次のステップで、左スプール弁機構975Lを介しての同じ動作で、加熱交換器500と左膨張チャンバ107Lとの間の左スプール弁115Lを閉じて、スーニーエンジン3000の左側の作動ダウンストロークの膨張を分離する)。作動流体が、ともに左膨張チャンバ107Lを画定する左第1ポンプサブチャンバ114Lと左作動チャンバ3107Lを合わせた体積を膨張させることができるように、左入口ポート121L(図1の接続部123に対応する)は、それぞれの出力ダウンストロークの間、開いたままになる。] 図1
[0152] 左流体ポンプ700Lは、図2のステップ1と類似する状態か、図5Aの右流体ポンプ700Rの状態である。] 図2 図5A
[0153] ステップ6−図5F] 図5F
[0154] 接点582は終点583を通過して、左ポンプシャフト141Lおよび左ポンプピストン113Lを、ワンケルピストン3103の駆動力から解放し、かつ左偏倚素子709Lが、左流体ポンプ700Lを急速に閉じることを可能にする。接点582は、ここで、パワーピストンシャフト141周りの円形経路上にあり、その回転運動は、左ポンプシャフト141Lを半径方向には移動させないので、接点582が再びそれぞれのカム144Lの上に乗るまで、ワンケルピストン3103の駆動力から左ポンプピストン113Lを自由にする。他の実施例では、ワンケルピストン3103が左ポンプピストン113Lを駆動して左流体ポンプ700Lの左第2ポンプサブチャンバ112Lを開放し同時に左偏倚素子709Lをセットする必要がないときに、左ポンプシャフト141Lが、ワンケルピストン3103に触れないように栓(図示せず)を設ける。]
[0155] 左流体ポンプ700Lは、一度その充填分を加熱交換器500内に出す。左膨張チャンバ107Lにおける作動流体は膨張し続けて、ワンケルピストン3103を移動させる。右排出ポート122Rにおける右逆戻り弁970Rは開放されたままで、右冷却チャンバ110Rを介して中央作動チャンバ3107Mおよび右第一ポンプサブチャンバ114R(ここではポンプ変位区画として機能)におけるこの時点で作動済みの作動流体を右第2ポンプサブチャンバ112Rへ通す。チャンバ/サブチャンバ3107M、114R、110Rおよび112Rはともに右冷却消費チャンバ100Rを画定する。]
[0156] 右流体ポンプ700Rは、図2に示すステップ6と類似する状態かまたは図5Bにおける左流体ポンプ700Lの状態にある。左流体ポンプ700Lは、図2に示すステップ2に類似した状態または図5Bにおける右流体ポンプ700Rの状態にある。] 図2 図5B
[0157] ステップ7−図5G] 図5G
[0158] 右冷却消費チャンバ100Rの右第2ポンプサブチャンバ112Rは、継続して右流体ポンプ700Rの右ポンプシャフト141Rに作用するカム144Rのスラストとともに開放される。左作動チャンバ3107Lにおける断熱膨張の際に作動流体が仕事出力を発揮し続ける一方、左入口ポート121Lは、引き続き開放されたままである。]
[0159] 右流体ポンプ700Rは、図2におけるステップ7と同様の状態にあるかまたは図5Cにおける左流体ポンプ700Lの状態にある。左流体ポンプ700Lは、図2に示すステップ3と同様の状態かまたは、図5Cにおける右流体ポンプ700Rの状態にある。] 図2 図5C
[0160] ステップ8−図5H] 図5H
[0161] ワンケルピストン3103が、左作動チャンバ3107Lにおけるそのパワーダウンストロークの完了に近づく。右流体ポンプ700Rの右第2ポンプサブチャンバ112Rは、ほとんど一杯であり、かつその充填分を加熱交換器500へ放出する準備ができつつある。スーニーエンジン3000は、ステップ1へ戻る準備をする。]
[0162] 右流体ポンプ700Rは、図2のステップ8と類似する状態かまたは図5Dの左流体ポンプ700Lの状態にある。左流体ポンプ700Lは、図2に示すステップ4と同様の状態かまたは図5Dにおける右流体ポンプ700Rの状態にある。] 図2 図5D
[0163] 要約すると、加熱交換器500から図3のスーニーエンジン3000の右側へ供給される高圧/高温の作動流体は、ワンケルエンジン403の上側に膨張し、その後圧縮され/冷却されて左側にいたり、最終的には左側から加熱交換器500へポンプ動作で戻される。同様に、加熱交換器500から図3のスーニーエンジン3000の左側へ供給される高圧/高温作動流体は、膨張してワンケルエンジン403の下部内へいたり、その後圧縮され冷却されて、右側へいたり、最終的には右側から再び加熱交換器500へポンプ動作で戻される。] 図3
[0164] 図4に示すスーニーエンジン4000は、スーニーエンジン3000と同様に動作する。スーニーエンジン4000は、相互に90°で配列された図1の4つの熱機関400を備える。図示の実施例では、スーニーエンジン4000における熱機関400は、共通のパワーピストンシャフト141を除いて、互いから個別に作動する。他の実施例では、スーニーエンジン4000における熱機関400は、図3におけるように、すなわちスーニーエンジン4000の左/右半分において、一緒に作動し、加熱交換器500から高温/高圧が、上部熱機関において膨張し、その後圧縮され/冷却されて、下部ポンプに至り、下部ポンプからポンプ動作で加熱交換器へ戻され、かつその逆も行われる。] 図1 図3 図4
[0165] スーニーエンジン4000のバルブ/ポート機構は、いくつかの実施形態においては、いくつかの局面において図3のものとは異なる。図6は、1以上の実施形態に従う、スーニーエンジン4000のバルブ/ポート機構を示す。それぞれ、図5H,図5B、図5Eおよび図5Dのステップ8、2、4および5に対応する(上部の左から右、下部の左から右)異なるステップにおけるシリンダを示す図6の拡大図において、図4におけるシリンダ1つのみ(4つのうち)が示される。特に、ピストンチャンバ104は、入口ポート121および排出ポート122の2つの開口がある。これらのポートは、TDCまたはその付近の2つの別の平面における穴からなる2つの輪である。動作において、これら穴からなる2つの輪は、露出され、上から、摺動可能なシリンダスリーブである、ポート弁ブラケット133により作動される可動リング弁スリーブ132によって覆われる。ポート弁ブラケット133は、リング弁スリーブ132が、2つのポート、すなわち入口ポート121および排出ポート122を開くか閉じるかのいずれかにシフトする前に、パワーピストン103がTDCからBDCへ移動することを可能にする。] 図3 図4 図5B 図5D 図5E 図5H 図6
[0166] 図6の上2つの図(ステップ8およびステップ2)は、入口ポート121の開放と排出ポート122の閉鎖を示す。詳細には、TDCまたはTDC付近では、パワーピストン103が下からポート弁ブラケット133に係合し、リング弁スリーブ132と一緒にポート弁ブラケット133を上方向に移動させ、それにより、入口ポート121を開放して、排出ポート122を閉じる。パワーピストン103がTDC付近を去るとすぐに、ポート弁ブラケット133は、その中立位置に戻り、リング弁スリーブ132が入口ポート121と出口ポート122の両方を閉じることを可能にする。したがって、入口ポート121は、TDCまたはその付近でわずな時間、開かれるだけで、ダウンストロークまたは作動流体の膨張の際には、ポートは両方とも閉じられる。] 図6
[0167] 図6の下2つの図(ステップ4およびステップ5)は、入口ポート121の閉鎖と排出ポート122の開放を示す。詳細には、BDCまたはその付近で、パワーピストン103が、上からポート弁ブラケット133に係合し、ポート弁ブラケット133をリング弁スリーブ132とともに下方向へ移動させ、これにより排出ポート122が開き、一方で入口ポート121は閉じた状態に維持される。パワーピストン103がBDCを去り上方向に移動すると、ポート弁ブラケット133は、下向きの位置にとどまり、リング弁スリーブ132が、引き続き排出ポート122を開放し入口ポート121を閉じることを可能にする。したがって、入口ポート121はダウンストロークおよびアップストロークのほとんどにおいて閉じられ、一方、排出ポート122はアップストロークのほとんどの間開いている。] 図6
[0168] 上記のおよび/または下記の構成からさまざまな実施例が派生し得る。たとえば、1以上の実施形態に従い、1以上のカム144R/Lを各パワーピストンシャフト141上に設ける。コネクタ800および/またはカム機構144の他の形状についても排除しない。各スーニーエンジンにおける熱機関またはパワーシリンダ/チャンバの数は、用途および/または他の設計上の配慮によって変更可能である。いくつかの実施形態において、偏倚素子709は、他の実施例では直接的または間接的にポンプピストン113を駆動して偏倚素子709をコッキングするパワーピストンシャフト141以外の外力によりコッキングされてもよい。]
[0169] 図7は、図3に開示する構成をさらに変更して、少なくとも、偏倚素子709のコッキングおよびポンプ動作を逆にするためのレバー739をさらに備える他の構成を開示する。しかしながら、他の構成も排除しない。図7に開示する構成は、図3のものに比べると簡素化されており、かつワンケルピストン3103と、第1のポンプサブチャンバ114R/Lと、第2のポンプサブチャンバ112R/Lとの間の関係がより密になっているところを示す。] 図3 図7
[0170] 図8Aは、変更された流体ポンプ8700を模式的に示す他の実施の形態を開示する。この実施の形態では、ポンプピストン113および偏倚素子709を組み合わせて1つの素子とし、8113R/Lで示す。ポンプピストン/偏倚素子8113R/Lは、2つの位置の間を移動可能な弾性膜または隔膜または仕切りであり、それらの位置の1つが、初期位置であり、他方が偏倚された位置である。ポンプピストン/偏倚素子8113R/Lを直接またはポンプシャフト141R/Lおよびカム144を介するなど、パワーピストンシャフト141により間接的に偏倚位置に強制する。図8Aに示す実施形態においては、単一のカム144を使用する。しかしながら、他の実施形態では、図3を参照して説明したものと同様の態様で1を超える数のカムを設ける。いくつかの実施形態において、回転安定装置895R/Lを設けて、ポンプピストン/偏倚素子8113R/Lが、上記の可変圧力状態の際に変動しないようにする。1以上の実施形態では、加熱交換器500からの入口弁115R/Lは、ポンプピストン/偏倚素子8113R/Lで、流体ポンプ700R/Lのチャンバの壁上における822R/L、823R/L等、それぞれの接点で開閉を切り替えるソレノイド弁である。] 図3 図8A
[0171] 図8Aに示す構成の右側のアップストローク(図2のステップ5−8に類似)において、カム144は、右第2ポンプサブチャンバ112Rの壁上の休止または初期位置から対向する壁へ、右ポンプシャフト141Rを介して、ポンプピストン/偏倚素子8113Rを移動させる。カム144の回転が漸進的にポンプピストン8113Rを、ポンプピストン/偏倚素子8113Rの弾性に抗して、パワーピストンシャフト141から引き離す。右第1ポンプサブチャンバ114Rにおける膨張した作動流体は、完全に圧縮され、冷却チャンバ110R(図示せず)内で冷却される。ポンプピストン/偏倚素子8113Rが接点822Rと接触状態になると、ソレノイド弁115Rがオンになり(開放され)、高温/高圧の作動流体が、右第1ポンプサブチャンバ114Rにアクセスすることを可能にし、ポンプピストン/偏倚素子8113Rの対向する側の圧力が等しくなる。その後またはその時点で、カム144のコッキング動作は終了しており(図5Fと同様)、ポンプピストン/偏倚素子8113Rは、初期位置へ跳ねて戻り、右第2ポンプサブチャンバ122Rからの、冷却され圧縮された作動流体を冷却交換器(図示せず)内へ渡す。ポンプピストン/偏倚素子8113Rは、接点832R接触し、ソレノイド弁115Rは、オフにされ(閉じられ)、膨張(ダウンストローク)期間が開始される。] 図2 図5F 図8A
[0172] 左側のポンプピストン/偏倚素子8113Lも同様に作動する。]
[0173] 図8Bは、他の実施例による他の構成8900を開示する。ポンプピストン/偏倚素子が流体ポンプ8700のポンプチャンバ内で移動可能な図8Aに示す構成とは違い、図8Bのポンプピストン8113R/Lは、静止状態で、流体ポンプのポンプチャンバ8708R/Lが、カム144により移動可能になっている。リーフバネ等、偏倚素子8709R/Lを設けてポンプチャンバ8707R/Lをカム144に抗してまたはパワーピストンシャフト141の方向に、偏倚する。空気シリンダ等の他の偏倚素子も排除しない。ポンプチャンバ8708R/Lは、図8Aのように接点822R/Lおよび823R/Lと接触状態になったり非接触状態になったりして、スプ—ル入口弁の115R/Lを開閉する。この構成は、5つしか移動部品が含まれていないという点で、簡素化されている。すなわち、(1)パワーピストンシャフト141/カム機構144/ワンケルピストン3103、(2−3)2つのポンプチャンバ8708R/Lおよび(4−5)2つの偏倚素子8709/Lである。いくつかの実施形態における偏倚素子8709R/Lが永久にポンプチャンバ8708R/Lに結合されると考えると、主要な移動部品が3つしかないことになり、構造が非常に簡素化される。] 図8A 図8B
[0174] 1以上の実施形態において、ポンプピストン8113R/Lは、寸法が可変であり以下に記載する可変条件調節器1001の機能を組み込む。これは、たとえば、ポンプピストン/偏倚素子8113R/Lの各々の2つの対向する壁8102と8103との間に挿入されるピンセット型または逆V型体積調節器8101により実現される。ポンプピストン/偏倚素子8113L等のポンプピストン/偏倚素子の1つの構造の模式斜視図が図8Cである。図8Cに示す通り、体積調節器8101は、各々がポンプピストン/偏倚素子8113Lの壁8102および8103の1つに係合する2つの側壁8106および8107を備える。壁8106および8107は、相互に対して傾斜し、V型の「ウエッジ」を構成する。ポスト8104は、下からウエッジをささえる。ポスト8104自体は、シリンダ8109内で移動可能な調節器ピストン8108により支持される。ばね8110は、ピストン8108とシリンダ8109の内壁との間で、ポスト8104のまわりに設けられ、偏倚ピストン8108およびポスト8104を中立位置へ偏倚する。加熱交換器500からの加熱された作動流体は、ピストン8018下のシリンダ8109へ到達する。] 図8C
[0175] 体積調節器8101は、下記の可変条件調節器1001と同様に動作する。要するに、加熱作動流体の圧力が高いと、ピストン8108、ポスト8104およびウエッジは、上向きに凸になり、後者のせいで壁8102および8103が互いから離れて分散する。したがって、ポンプチャンバ8708内の流体ポンプの有効体積が減少すると、作動流体の圧縮率がより高くなる。同様に、加熱作動流体の圧力が低いと、ピストン8108、ポスト8104およびウエッジは下向きに下がるので、後者のせいで、壁8102および8103は、相互に向かって移動する。したがって、ポンプチャンバ8708内の流体ポンプの有効体積が増大し、作動流体の圧縮率がより低くなる。1以上の実施形態において、壁8102および8103は両方とも可動である。また、他のいくつかの実施形態では、壁8102および8103のいずれか一方のみが可動である。]
[0176] 図8Dは、2つのワンケルエンジン8403を隣同士に並べて、それらのワンケルピストン3103を互いに90°の角度においた実施例の模式側面図および上面図を含む。いくつかの実施形態において、4つの流体ポンプ8900が、2つのワンケルエンジン8403の各々の外壁上に配置される。いくつかの実施形態においては、4つの流体ポンプ8900の偏倚素子が、それぞれのポンプチャンバに永久に結合されるので、主要な移動部品は5つしかないことになり(すなわち(1)パワーピストンシャフト141/カム機構144/ワンケルピストン3103および(2−5)4つのポンプチャンバ)、構造が非常に簡素化される。] 図8D
[0177] 図9Aは、パワーピストンシャフト141が回転せずその軸方向に振動する、スーニーエンジン9000の実施形態を開示する。2つの熱機関400L/Rが、それぞれの流体ポンプ700L/Rにおけるパワーピストンシャフト141の対向する端部に配設される。パワーピストンシャフト141の振動は、出力機構9101を介して発電機9001等の外部の装置に伝達される。スーニーエンジン9000においては、コネクタ800(図1)の役割をラッチ機構9144が果たしており、これ以降この機構を「オクトパス」機構と呼ぶ。] 図1 図9A
[0178] 図9Bは、それぞれ図2のステップ1−8に対応するスーニーエンジン9000のステップ1−8を介する複数のオクトパス機構9144の簡略図を含む。オクトパス機構9144は、2つのオクトパスシャフトラッチ901、プルブロック903、2つの接続部材905、1以上のオープナーウエッジ907、ラッチスプリング911、およびプルブロック903内のチャネルで摺動可能なシャフトブロッカ延長部913を含む。上に挙げた素子は、複数のピボット902により相互に枢支的に接続される。] 図2 図9B
[0179] プルブロック903およびシャフトブロッカ延長部913の一方が、パワーピストン103(図9Aのパワーピストンシャフト141を介して)およびポンプピストン113(図9Aのポンプピストンロッド919を介して)の一方に取り付けられる。プルブロック903およびシャフトブロッカ延長部913の他方がパワーピストン103およびポンプピストン113の他方に取り付けられる。図9Aのより詳細な実施形態では、ポンプピストンロッド919は中空で、パワーピストンシャフト141はこの中空のポンプピストンロッド919内を延在する。図9Bのより詳細な実施形態においては、シャフトブロッカ延長部913がポンプピストン113に接続され、プルブロック903がパワーピストン103に接続される。なお、上記以外の他の構成も排除しない。] 図9A 図9B
[0180] プルブロック903のチャネル908内をシャフトブロッカ延長部913が摺動することによって、動作中の機構のぐらつきを確実に防止できる。いくつかの実施形態では、この構成を逆にしてシャフトブロッカ延長部913のチャネル(図示せず)においてプルブロック903を摺動可能にしている。]
[0181] 1以上のオープナーウエッジ907(図9Bには2つ図示)は、流体ポンプの壁上に設けられる。図9Aの詳細な実施例では、オープナーウエッジ907は、各々の流体ポンプの端壁に設けられる。オープンウエッジ907は、オクトパスシャフトラッチ901間(図9Bのステップ1および8)または各オクトパスシャフトラッチ901とプルブロック903との間に挿入が可能で、シャフトブロッカ延長部913(かつしたがってポンプピストン113)をプルブロック903(かつしたがってパワーピストン103)との接続状態からすばやく解放し、ポンプ動作が生じた際に、シャフトブロッカ延長部913が上向きに摺動できるようにする(図9Bのステップ2−4)。] 図9A 図9B
[0182] ラッチスプリング911を設けて、ステップ4からステップ5(図9B)へオクトパス機構9144を移動させる。1以上の実施形態において、ラッチスプリング911は、軽量引張りバネである。いくつかの実施形態において、ポンプチャンバの壁上の外部の手段(図示せず)を同じ目的で使用する。] 図9B
[0183] 詳細に図示した実施形態では、シャフトブロッカ延長部913は、T字状である。しかしながら、他の構成も排除しない。]
[0184] 図9Bに例示する動作では、ポンプピストン113は、ステップ5−8においてポンプピストン103にラッチされ、ステップ1−4で解放される。詳細には、流体ポンプがほとんど一杯の場合(ステップ8)、パワーピストン103は、プルブロック903を介して、オクトパスシャフトラッチ901をオープナーウエッジ907の方向へ引っ張り、同ウエッジは、各オクトパスシャフトラッチ901とプルブロック903の間に挿入されて、ラッチを解放する(ステップ1)。その結果、ポンプピストン113(シャフトブロッカ延長部913を介して)は、パワーピストン103(プルブロック903を介して)との接続から解放されかつ偏倚素子709により前方へ押されて、すばやいポンプ行動を完了する。シャフトブロッカ延長部913は、ステップ2−4に示すとおりポンプピストン113のBDCに対応する位置で止まる。パワーピストン103がBDCに接近すると、プルブロック903がステップ2からステップ4でシャフトブロッカ延長部913の方向へ移動し、次のラッチステージのためにオクトパス機構9144を準備する。ステップ4では、ラッチスプリング911または外部手段(図示せず)がオクトパスシャフトラッチ901を、内向きにプルブロック903の方向へ移動させ、ステップ5の状態に至る。ポンプピストン113はここでポンプピストン103にロックされ、この処理が繰り返される。] 図9B
[0185] この実施形態は、エンジンの寸法を半分にするので、製造コストを実質的に削減することになる。いくつかの実施形態において開示するように、4つのチャンバを有する2つのシリンダを有する場合と違い、この実施例は、2つのチャンバと2つのパワーピストン103L/Rを有するひとつのシリンダを有する。回転ドライブシャフトを設けて、ピストン動作の連続的動作を確保するのではなく、振り子9001で、慣性を蓄積して、パワーピストン103R/Lの動きとともに前後に振動するが、1以上の実施形態においては、単一のパワーピストン103と組み合わせることができる。この前後の動作により、発振リニア発電機9001を駆動する。上記および/または下記の2つのシリンダで、4つのチャンバのエンジンは、エンジンに連続性があることを確実にする重複チャンバ動作を有する。1つのシリンダで、2つのチャンバのエンジンを有する図9Aの構成は、この重複の欠如を、連続するエンジンの発振動作により克服する。全体的に、膨張チャンバ(図1の107と同様)における仕事出力と圧縮チャンバ(図1の100と同様)における仕事入力間の平均圧力差は、エンジンを駆動するのに十分である。ところが、膨張力と圧縮力が単一のピストンの両端に作用する。膨張側が開くと、膨張ストロークの終わりが弱くなり、圧縮側が閉じると、圧縮ストロークの終わりがより強くなる。] 図1 図9A
[0186] 図10は、たとえば図3から図7に開示するような1以上の実施形態において使用する可変条件調節器を示す。加熱交換器500の可変の条件下、特に加熱交換器500が太陽光エネルギを電源にする場合の作動流体の膨張能力を最適にするため、いくつかの実施形態における、スーニーエンジンは、変化する温度/圧力条件に対して自己調節を行うことができる。] 図10 図3 図7
[0187] たとえば、加熱交換器500における加熱された作業流体の温度/圧力が上昇すると、ピストンチャンバ104の体積が固定されるので、第1のポンプサブチャンバ114の初期体積の大きさが減少して、高圧力のより高い膨張率を受け入れるようになる。作動流体は、より高圧ではより密度が高いので、隣接部は、第1のポンプサブチャンバ114の初期値がより小さくてもより大きい流量を可能にする。同様に、加熱交換器500における中間圧力/温度については、第1ポンプサブチャンバ114の初期体積が拡大して、より低い温度/圧力条件を受け入れる。]
[0188] たとえば、上記の数値例では、212°Fから170°Fへの温度の低下に対する体積の拡大は、108.8%である。212°Fから300°Fへの温度上昇に対する体積の減少は、118.9%である。第1のポンプサブチャンバ114の初期体積、すなわち212°Fで、2.1778単位を上記のパーセンテージで割って体積の変化を決定する。]
[0189] 特に、可変である太陽の条件下での太陽光エネルギで生じる、高いほうが212°Fおよび480psiから、たとえば170°Fおよび408.4psiへの温度および圧力の低下があった場合、第1のポンプサブチャンバ114における初期体積(TDCで)は、2.1877単位から3.0913単位へまたは〜171%まで増大する。これらの体積(交換可能な)を調節することによって、変形例では、確実に、エンジンのダウンストローク中に膨張する総体積が、所与の温度/圧力で作動流体の最適膨張パラメータに常に合致し、変化する太陽の条件によって課される仕事のポテンシャルを最適化する。同じことが蓄積する排熱の利用にも当てはまる。]
[0190] いくつかの実施形態において、第1のポンプサブチャンバ114の初期体積は、図10に開示の可変条件調節器1001により調節することができる。可変条件調節器1001は、加熱交換器500の加熱された作動流体により下から作用を受ける調節器ピストン875と、可動ポンプフロア882と、可動ポンプフロア882と調節器ピストン875との間にある調節器バネ880とを備える。いくつかの実施形態において、調節器ピストン875の表面積は可動ポンプフロア882より大きい。図示しないが、いくつかの実施形態において、可変条件調節器1001の総重量は、変化する圧力条件により生じる振動を最小限にするために十分な重さである。この構成により、可変条件調節器1001の動作が、確実に、慎重な、しかし変化する圧力について安定したものになる。しかしながら、可変条件調節器について他の構成も排除しない。たとえば、いくつかの実施形態においては、可変接点を有するソレノイドを使用する。] 図10
[0191] 圧力が上昇すると、調節器ピストン875、調節器バネ880および可動ポンプフロア882が流体ポンプ700の第1のポンプサブチャンバ114の初期体積を侵食する。圧力が高ければ高いほど、圧縮率は高まる。たとえば詳細に開示した例では、408.4psiでは、圧縮率は1.3175であり、480psiでは、その率は1.4571であり、653psiでは、その率は1.7329となる。]
[0192] 図10は、開ポンプと閉ポンプという加熱作動流体の二つの状態のそれぞれ低圧と高圧における可変条件調節器1001を示す図である。可変条件調節器1001および切り替えを同じ構成に含む必要はないが、スプール入口弁115の開閉タイミングを調節するための切り替え機構も図10に示す。] 図10
[0193] こうして、図示した構成では、調節を受け入れるにあたって、2つの局面が変化する。1)第1のポンプサブチャンバ114の初期体積が調節器ピストン875により制御されかつ2)スプール入口弁115の開閉を切り替えるためのスプリングブラケット987の移動長さがウエッジ980により制御される。第1の局面のいくつかの実施形態においては、調節器ピストン875により調節される第1のポンプサブチャンバ114の変化する初期体積を重み機構(図示せず)によりさらに安定化させる。ここでも、可変接点を有するソレノイド等の他の構成を排除しない。]
[0194] 第2の局面のいくつかの実施形態においては、可変切り替え機構が、切り替え機構の接点を制御することにより変化する温度/圧力条件下でスプリングブラケット975の変化する移動長さに適応する。特に、切り替機構の接点の変化する距離は、ウエッジ980を挿入することによりスプール入口弁115のアームの低い接点での空隙を埋めることで調節される。ウエッジ980が空隙を埋めると、スプリングブラケット987は、ウエッジ980に接触し、ウエッジ980は今度は、スプール入口弁115のアーム上のブロッカ/接点979に接触し、それによりスプール入口バルブを引っ張って閉める。空隙の閉鎖は、スィッチピストン983に作用する変化する圧力により調節される。スプール入口弁115の閉鎖も電気的に調節される。しかしながら、上記の機械的スィッチは、このような複雑性の追加の必要をなくす。]
[0195] 加熱交換器500が高圧で、ポンプが開いているとき(左下の図面)、調節器ピストン875が高圧加熱作動流体により、上部収縮位置へ移動させられる。その結果、可動ポンプフロア882も、上部位置へ移動し、第1のポンプサブチャンバ114は体積が減る。スィッチピストン983は、高圧の加熱された流体により押されてウエッジ980を延長し、接点979上を移動して最終的にスプール入口弁115を閉める際に、スプリングブラケット987の接点の短縮された移動における空隙を埋める。]
[0196] 加熱交換器500が高圧で、ポンプが閉じられている場合(右下の図)、スプリングブラケット987が移動して引き伸ばされたウエッジ980と接触し、ウエッジが今度は接点979と接触してスプール入口弁115を引っ張って閉じる。]
[0197] 加熱交換器500が低圧で、ポンプが開いているとき(左上の図)、調節器ピストン875は、下の収縮位置にある。ポンプの可動ポンプフロア882も対応する下の位置にあり、第1のポンプサブチャンバ114の体積はより高い。加熱作動流体が低圧のため、ウエッジ980が図10Bに比べればひっこんで、接点979の上を移動して最終的にスプール入口弁を閉じる際に、スプリングブラケット987の接点の移動を開く。] 図10B
[0198] 加熱交換器500が高圧で、ポンプが閉じられているとき(右上の図)、スプール入口弁115は閉じた状態である。スプリングブラケット987は、移動してウエッジ980の薄い先端と接触し、今度はウエッジがブロッカポイント979と接触し、スプール入口弁115を引っ張って閉じる。]
[0199] 可変条件調節器1001の他の構成について図8Cを参照して説明した。] 図8C
[0200] 1以上の実施形態による可変調節器安定装置を図11に開示する。ジャイロ安定器は、可変条件調節の遅い動作を安定させるための手段の一例として使用される。同じまたは類似の効果を達成するための他の手段もこの開示によりカバーされる。たとえば、図8Cに関して上に説明したウエッジも、安定化効果を達成する。上記のとおり、可変条件調節器1001は、第1のポンプサブチャンバ114の初期体積を変化させて、たとえば可変である太陽熱や排熱により課される加熱交換器500の可変圧力/温度条件に適応する。可変条件調節器1001は、加熱交換器500における加熱作動流体の圧力により作動される。しかしながら、流体ポンプ700および第1のポンプサブチャンバ114における圧力条件は、かなり変化し得る。流体ポンプ700のフロア位置、すなわち可動ポンプフロア882を調節する平均力をシステム内に設計しておくことができる。しかしながら、機構およびポンプ体積が可変条件下で安定して維持されるよう、圧力の変動の影響を安定化させる必要がある。したがって、ジャイロ安定化装置(回転安定化装置)890を設ける。ジャイロ安定化装置890は、固定位置を有するが、ジャイロ安定化装置890が、調節器ピストン875の押し/引きの変動で、自由に右回り左回りに、すなわちシャフト879、可動ポンプフロア882を介して、回転できるようにするボールベアリング892の間にある。ジャイロ安定化装置890は、逆の動きが生じるたびに、方向を変えるので、その動きが安定する。] 図11 図8C
[0201] いくつかの実施形態では、装置の小型化のためジャイロ安定化装置890を、たとえば図12に示すように、調節器バネ876内に配置する。2つの蛇腹構造(参照番号無し)を漏れを防ぐために備える。] 図12
[0202] 図13Aおよび図13Bは、上記のおよび/または下記のスーニーエンジン等の1以上の実施形態によるエンジンがスウェーデンのコクムス社(Kockums AB)により開発されたもの(これ以降コクムスエンジンと称する)のようなスターリングエンジンと統合された様々な構成の例を示す。] 図13A 図13B
[0203] コクムスキネマティックスターリングエンジンは、4気筒のレシプロエンジンであり、ソーラーレシーバから圧縮かつ加熱した水素ガスを受けて、スターリングサイクルを駆動する。スターリングエンジンのシリンダブロックは、冷却器、再生器および加熱器ヘッドとともに、4つの密閉されたシリンダアセンブリ(ピストン(複数)、ピストンロッドおよびコンロッド)を組み込む。]
[0204] コクムスエンジンの「背圧」構成とは、ダウンストロークの間パワーピストンの背後にあるコクムス再圧の「背圧」を指す。膨張と圧縮とは、同じ回転ジャーナル軸上で同時に動作して発生する。1以上の実施形態におけるスーニーエンジンが、同じシリンダを用いて、膨張チャンバと圧縮チャンバの両方を収納するので、背圧圧縮チャンバを中立化させることによってコクムスエンジンに適用可能にし、同チャンバを低温/低圧冷却シンクにすることができる。図13Aおよび図13Bに例示するそのような適用により、総体積が均衡化して体積変化がゼロの状態を経るように、4つの適用された背圧チャンバをすべて接続することにより、冷却シンクの連続的背圧状態を維持する。] 図13A 図13B
[0205] 詳細には、膨張ダウンストローク時の主ドライブピストンの背後の流体および圧力が、以下の1つ以上において、ダウンストロークの際に低くて安定なシンク圧力で保持される。]
[0206] (1)既存のコクムス冷却システムを用いて低温/低圧の冷却シンクを維持する。]
[0207] (2)アップストローク弁の既存のコクムス圧縮チャンバの循環系の他の部分へのアクセスを封印して、既存のコクムス圧縮チャンバを背圧シンクに変える。]
[0208] (3)変換した背圧シンクチャンバを相互接続して、シンク内の体積を一定に保ち、背圧圧縮を回避する。]
[0209] (4)変換した膨張/圧縮チャンバと変換した冷却シンクとの間のパワーピストンを介するブリーディングまたは漏れを最小限にする。]
[0210] (5)漏れた流体を循環系に戻す流体ポンプを設ける。]
[0211] (6)ダウンストロークの際、ピストンがそのプラスの仕事を行い、アップストロークの際、ピストンがマイナスの仕事(または例えば図3に関して説明した他のスーニーエンジン内へのポンプ動作等)をするように、膨張チャンバを、膨張器および圧縮器チャンバ(膨張/圧縮チャンバ)の二重機能に変換する。] 図3
[0212] 熱を保持または吸収しない材料のいくつかの実施形態において、適用されたエンジンの膨張/圧縮チャンバの壁を構成する。エンジンピストンの摩擦を処理できるセラミックは考えられる材料の1つである。膨張/圧縮チャンバと冷却シンクとの間の漏れはゼロを保持する。]
[0213] (1)既存のコクムスエンジンの冷却システムを利用して低温低圧の冷却シンクをつくる。]
[0214] 1以上の実施形態によるスーニーエンジンの4つのシリンダ構成が図13Aに示すコクムスの4つのシリンダ構成に一致する。1つのシリンダチャンバの体積が他方の反対の体積を有する、すなわち4つの背圧体積(前者の圧縮チャンバの)を相互接続し、その一方で、前者のコクムス圧縮チャンバの冷却コイルを分離し利用することにより、4つのジャーナルが90°離れて、十字の形を形成するよう、4つのシリンダの4つのピストンが等間隔で設けられるので、シンクの平均体積は一定を保ち、かつ作動ストロークのBDCで生じる低圧/低温レベルに留まる。] 図13A
[0215] (2)既存のコクムス圧縮チャンバと変更されたスーニー冷却システムとの間のアップストローク弁のアクセスを密封する。]
[0216] 1以上の実施形態において、コクムスをスーニーエンジンに変換する上で、アップストロークの際の弁のアクセスを可能にするコクムスエンジンの手段が、循環系から永遠に密封される。]
[0217] (3)再圧縮チャンバを相互につないで、一定の体積を保ち、圧縮を避ける。]
[0218] 冷却シンクにおいて一定の低圧を維持し、前者のコクムス圧縮チャンバは、ある実施例にしたがい、相互接続される。これにより、横断動作の合わせた体積変化がゼロになるため、各パワーストロークのダウンストロークの際の体積の侵食がアップストロークの際の体積の膨張と確実に等しくなる。]
[0219] (4)膨張チャンバと変換した冷却シンクとの間のパワーピストンを介するブリーディングまたは漏れを最小限にする。]
[0220] 漏れがなく、冷却シンクへの作動流体のマスフローがある場合、適応したエンジンが、一定した理想的温度/圧力状態を提供していると考えられる。しかしながら、現実には、各作動ピストンについて、物理的バリア(1以上の実施形態において説明した蛇腹等)が設けられない限り、作動流体は低圧冷却シンク内に漏れて侵入する。]
[0221] (5)漏れ出た流体を循環系に戻す流体ポンプを設ける。]
[0222] 漏れ出た流体を、回転ポンプまたは図13Bに示す装置を使って循環系に戻す。同装置は、BDCの圧力が本質的にシンクに等しいときに、BDCで、ピストンを使って、循環へ流体を戻す。図13Bに示すとおり、このシンクポンプ1307は、圧力サイクルの下端で機能する。TDCでの高圧均衡の際にポンプ動作する代わりに、シンクポンプ1307は、BDCでの低圧均衡の際に、ポンプ動作で漏れ出た流体を循環に戻す。漏れが最小限になると考えられるので、ギアシステムを設けて、エンジンが数サイクル回転して初めてポンプ動作が可能になるようにする。スプリング1309は、循環系の流体ポンプ700と同様コッキングされ、循環系と同様均衡圧力状態で解放される。しかしながら、シンクポンプ1307は、低圧力ポイントでそのポンプ動作を達成する。] 図13B
[0223] (6)4つのダウンストロークの際、ピストンがそのプラスの仕事を行い、4つのアップストロークの際にマイナスの仕事(またはたとえば図3に関して説明した他のスーニーエンジンへポンプ動作する)を行うように、膨張チャンバを膨張/圧縮チャンバの二重機能に変換する。この小さな内部ポンプ構成は、上記の流体ポンプ700の原則と一致する。] 図3
[0224] 図13Aおよび図13Bに例示する各コクムスエンジンの作動シリンダのヘッド上に、1以上の実施形態にしたがうスーニー装置を装備し、上記のように機能させる。] 図13A 図13B
[0225] いくつかの実施形態において、以下の変更を行って1以上の実施形態において開示するスーニーエンジンをコクムスエンジンに組み込む。]
[0226] 1)膨張作動シリンダおよびそのパワーピストンが、変換されて、二重の能力において膨張および圧縮を組み合わせたチャンバとしての機能を果たす。まず、アップストロークの際の膨張チャンバから弁が進み、背圧圧縮チャンバが圧縮非仕事チャンバとして動作を止め単なる低圧シンクとなるよう、背圧圧縮チャンバが、廃止される。次に、この低圧シンクを他の3つの(4つのうち)シンクに相互接続して、確実に低圧が一定になるようにする。言い換えれば、コクムスエンジンの圧縮チャンバは、相互接続された4つチャンバを有する低圧シンクに変換されて、確実に圧力の均一化と安定化を行う。以前、コクムスエンジンのこの圧縮装置において使用した冷却システムを使用して、低圧を維持する。この低圧シンクにおける流体をできる限り循環作動流体から分離する。]
[0227] 2)適応した構成における膨張/圧縮仕事と非仕事チャンバの組み合わせは、入口と出口とを有する。]
[0228] 3)コクムスエンジンの適応で生じる再生器が上記のとおり大型高温/高圧レザボアにおいて発生する。作動流体は、エンジン本体から完全に再循環されているので、効率は非常に向上する。]
[0229] 図14は、本明細書に開示するいずれかのスーニーエンジンとともに用いる回転シャッター弁を開示する。] 図14
[0230] 1以上の実施形態において開示されるスーニーエンジンの動作は、熱交換を行うエンジンであるスターリングエンジンと対照的に体積の急速な交換に依存する。有効体積交換は、巡回する作動流体の流れの高速性に大いに依存する。加熱交換器500と膨張チャンバ107との間、ならびに、圧縮/ポンプ浸食チャンバとして機能する場合には後者と冷却交換器600との間で、迅速かつ信頼度の高い流れを確実にするためには、いくつかの実施形態によるバルブの開口をできるだけ広くする。]
[0231] このため、回転シャッター弁1469に、1つは取り込み用(入口ポート121のような)、1つは排出用(排出ボート122のような)にそれぞれ、2つの区画1421および1422を設ける。いくつかの実施形態においては、取り込み用1421は、BDCからTDCへのアップストロークの間、全ストローク時間の約20分の1または5%開放され、かつ排出用1422は同時間の約50%開放される。いくつかの実施形態においては、取り込み用1421が開く前に排出用1422が閉じられる。いくつかの実施形態によれば、排出用1422のバルブスリットは、取り込み用1421のものより大きい。]
[0232] 一以上の実施例において、回転シャッター弁1469は、一定の速度で絶え間なくスピンして、パワーピストンシャフト141により直接的または間接的に駆動される。交換の排出用1422と取り込み用1422の開放速度は、体積の変化速度に並行して生じる。取り込み用1421は、いくつかの実施形態においては、排出用1422が閉じた直後に開放される。一以上の実施例においては、バルブの開口の長いスリットは、パワーピストン103のヘッドの直径および圧縮/ポンプ侵食チャンバを横断する。]
[0233] 図15は、高効率の熱電併給(CHP)エンジン1500の一以上の実施例にしたがう特定の応用を示す。図15に例示する1以上の実施形態における熱CHPエンジンは、多目的太陽熱総合ユーティリティパッケージ(電気、お湯、加熱およびAC)に組み込まれかつ建物の冷暖房のみならず一年中電力を発生することになる。これらに限定されるわけではないが、熱源として可能なものは、1)家庭や商業ビルが受ける受動的な太陽光熱および/または2)太陽光発電所のための高温および/または3)工業用の蓄積された廃熱の利用を含む。] 図15
权利要求:

請求項1
流体を、低圧状態にある前記流体の第1の流体源(600)から高圧状態にある前記流体の第2の流体源(500)に移動させるための流体ポンプ(700)であって、前記流体ポンプが、チャンバと、前記チャンバ内を変位可能でかつ前記チャンバを可変体積の第1および第2のサブチャンバ(114、112)に分割する区画部材(113)とを備え、前記第1のサブチャンバ(114)が、それぞれ第2および第1の流体源(500、600)と制御可能に連通可能な入口および出口開口(121、122)を有し、前記第2サブチャンバ(112)がそれぞれ第1および第2の流体源(600、500)と制御可能に連通可能な入口および出口開口(125、124)を有し、区画部材(113)の対向する側の圧力が等しくされる場合、低圧状態の流体を第2のサブチャンバ(112)から第2の流体源(500)へポンプ動作で送り込むために、前記区画部材が、第2のサブチャンバ(112)内に移動するよう構成される、流体ポンプ。
請求項2
前記ポンプが、気相−液相変化なしに、前記流体の低圧蒸気を、第1の流体源から第2の流体源へ、強制的に移動させるようになっている蒸気ポンプである、請求項1に記載の流体ポンプ。
請求項3
区画部材の対向する側の圧力が、(i)ポンプが閉じられる際には、区画部材の対向する側の高圧状態の流体、および(ii)ポンプが開放される際には、区画部材の対向する側の中間圧力状態の流体のうち少なくともいずれか一方の存在によって等しくされる、請求項1に記載の流体ポンプ。
請求項4
前記第1のサブチャンバ(114)の前記入口開口(121)および前記第2のサブチャンバ(112)の前記出口開口(124)が、作動的に開放され、前記サブチャンバにおける流体圧力が、第2の流体源の流体圧力と等しくなり、それにより前記圧力の均一化が実現される、請求項3に記載の流体ポンプ。
請求項5
前記区画部材が、前記第2のサブチャンバの閉鎖に向けて偏倚されている、請求項1に記載の流体ポンプ。
請求項6
前記第2の流体源における流体の高圧および/または温度ブラケットの幅にしたがい、前記ポンプのチャンバの体積を調節する可変条件調節器(1001)をさらに備える、請求項1に記載の流体ポンプ。
請求項7
可変条件調節器が、可変圧力条件の際に、ポンプの変動を防止するための安定化手段をさらにそなえる、請求項6に記載の流体ポンプ。
請求項8
異なるタイミングで前記第1のサブチャンバ(114)の入口および出口開口(121、122)を作動的に閉じかつ/または開くための回転シャトル弁(1469)をさらに備える、請求項1に記載の流体ポンプ。
請求項9
異なるタイミングで、前記第1のサブチャンバの入口および出口開口(121、122)を作動的に閉じかつ/または開くための機構をさらに備え、前記機構が高圧状態の前記流体の圧力および温度の少なくとも1つに応じて自動的に調節可能である、請求項1に記載の流体ポンプ。
請求項10
ポンプのチャンバ上に分配される可変接点に応答して、異なるタイミングで前記第1のサブチャンバの入口および出口開口(121、122)を作動的に閉じかつ/または開くためのソレノイド弁をさらに含む、請求項1に記載の流体ポンプ。
請求項11
熱システムであって、高圧流体を供給するための加熱交換器(500)と、前記加熱交換器(500)に結合されて、前記高圧流体上に延在しかつ低圧状態の前記流体を排出するためのエンジン(400)と、エンジン排出部(600)からの低圧流体を、内部圧力の均衡によりまたは低圧状態から高圧状態へポンプ動作で送られる作動流体の流れに対する抵抗を均衡化する力により、前記加熱交換器(500)へ戻すための流体ポンプ(700)とを備える、熱システム。
請求項12
前記流体ポンプが、膨張チャンバを備え、かつ前記エンジンがピストンチャンバを備え、流体が、エンジンのパワーピストン(103)のダウンストロークにおいて、膨張チャンバおよびピストンチャンバで膨張し、膨張チャンバがエンジンのパワーピストンのアップストロークにおいて、ポンプ変位チャンバ(114)に変換され、ピストンチャンバとポンプ変位チャンバとは、膨張した流体を圧縮するために両方ともにその前のピストンチャンバおよびポンプ変位チャンバへ侵入する、請求項11に記載の熱システム。
請求項13
ポンプ変位チャンバとともに、加熱交換器へポンプ動作で戻される前に、膨張した流体が冷却され圧縮される冷却消費チャンバ(100)を画定する冷却チャンバ(110)とポンプチャンバ(112)とをさらに備え、冷却チャンバにおける流体の圧力が抑えられる、熱システム。
請求項14
エンジン排出部が、ポンプ変位チャンバとポンプチャンバとの間に配置される冷却チャンバ内の膨張した流体を冷却するための冷却交換器(600)を備える、請求項13に記載の熱ルシステム。
請求項15
ポンプが、ポンプ変位チャンバとポンプチャンバとの間で移動可能で、かつパワーピストンのアップストロークの際に、少なくとも間接的には、パワーピストンにより作動的に駆動されて、パワーピストンとともに、ポンプ変位チャンバ内へ侵入するポンプピストン(113)をさらに備える、請求項12に記載の熱システム。
請求項16
アップストロークの際に、ポンプピストンをパワーピストンの動きに作動的に接続し、かつダウンストロークの際に、ポンプピストンをパワーピストンの動きから作動的に切り離すためのコネクタ(800)をさらに備える、請求項15に記載の熱システム。
請求項17
前記コネクタが、カム機構をそなえる、請求項16に記載の熱システム。
請求項18
前記コネクタが、ポンプピストンとパワーピストンを、パワーピストンの位置に応じて、ともにを解放可能にラッチするためのラッチ機構を備える、請求項16に記載の熱システム。
請求項19
エンジンが、スターリング系エンジンであって、前記熱機関のパワーピストンにより移動可能で、前記パワーピストンのピストンチャンバの入口と出口の少なくとも一方を閉じかつ/または開くバルブスリーブをさらに含む、請求項11に記載の熱システム。
請求項20
流体ポンプが、ポンプチャンバと、初期位置と偏倚された位置との間のポンプチャンバ内において弾性的に移動可能な区画部材(8113)とを備え、区画部材の対向する側の圧力が熱交換器からアクセスする高圧状態の流体により等しくされる場合に、区画部材の偏倚された場所から初期位置への弾性戻りが、低圧状態の流体を加熱交換器内に放出するため十分である、請求項11に記載の熱システム。
請求項21
エンジンが、ワンケル系エンジンである、請求項11に記載の熱システム。
請求項22
共通のパワーピストンシャフト上に、90°離れて、ワンケルピストンに対して隣同士に配設される2つのワンケルエンジンと、前記ワンケルエンジンの外壁上の、2つ以上の前記流体ポンプとを備える、請求項21に記載の熱システム。
請求項23
流体ポンプが、初期位置と偏倚位置との間で弾性的に移動可能なポンプチャンバ(8708)と、ポンプチャンバ内の区画部材とを備え、区画部材の対向する側の圧力が、加熱交換器からアクセスする高圧状態の流体により等しくされる場合、ポンプチャンバの、偏倚位置から初期位置への弾性の戻りが、低圧状態の流体を加熱交換器内へ放出するのに十分である、請求項21に記載の熱システム。
請求項24
区画部材が、相互に対して移動可能な2つの壁と、2つの可動壁の間を出入りして移動可能で、加熱交換器および/または温度ブラケットからアクセスする高圧状態の流体の圧力に応答して、自動的に区画部材の寸法かつポンプチャンバの体積を調節するための可変条件調節器と備える、請求項22に記載の熱システム。
請求項25
エンジンに結合された発電機(9001)をさらに備える、請求項11に記載の熱システム。
請求項26
前記熱機関(403)が、各々が前記流体ポンプ(700R/L)の1つに結合される2つ以上の膨張チャンバ(3107R/L)を備え、かつ膨張チャンバの1つにおいて膨張する流体が、他の膨張チャンバと関連する流体ポンプに圧縮されてポンプ動作を受けて加熱交換器内に戻る、請求項11に記載の熱システム。
請求項27
流体を、低圧状態の前記流体の第1の流体源からの高圧状態の前記流体の第2の流体源へポンプ動作で移動させる方法であって、前記方法が、内部で変位可能な区画部材(113)を有するチャンバにおいて、前記チャンバを体積が可変の第1および第2のサブチャンバ(114、112)に分割するステップと、前記第2のサブチャンバ(112)において、第1の流体源(600)からの低圧状態の前記流体の容量を受け取るステップと、前記第2のサブチャンバ(112)における低圧力状態の前記流体の熱ではなく容量を前記第1のサブチャンバ(114)における第2の流体源(500)からの高圧状態の前記流体の同じ容量と交換するステップとを備える、方法。
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同族专利:
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引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
法律状态:
2012-04-03| A300| Withdrawal of application because of no request for examination|Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20120403 |
优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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